京の茶漬け

2018年12月30日
前回の記事で紹介した 朝倉さや さんの曲に「おかえりーmanzumamake」 があります。帰省のこの時期にはピッタリの曲です。

このサブタイトルになっている manzumamake というのは山形の方言で まんづ「まあ(さあ)」 まま「ごはん」 け「食べたら」

という意味で、「おかえり、まあ、挨拶はいいから手でも洗ってご飯でも食べたら」という美しい言葉です。

しかし私のような関西人というのは全く持って残念なことに、このやさしい言葉とは正反対な言葉の方になじみが深いようです。

京の茶漬け

上方落語メモ【世紀末亭】というサイトにこの話が文章化されたものがありましたので、申し訳ありませんがその一部を引用させていただきたいと思います。

この京都で昔からご馳走(ごっつぉ)言葉とでもいぅんでしょ~か、人が来
て話をして帰りかけるといぅと「あの、何もおへんのどすけど、ちょっとお
茶漬けでも」下駄はく、靴はくといぅ段階になって「ちょっとお茶漬けでも」

 「さよか」言ぅて、また靴ぬいで上がって来る人は滅多におまへんわ。ス
キ焼きか何かやったらまた話が違うかも分かりまへん「あんたの顔見てから
材料揃えたんで、ちょっと手間取りましたけど、えぇ肉が入ってまんねん。
せっかく鍋用意してん、ひと箸でもまぁ……」

 「そないしてもぉたんやったら……、さよか」ちゅう人でも、茶漬けぐら
いでっさかいねぇ「まぁ、また今度……」と帰ってしまう。必ず帰りかけた
段階になってこれを言ぅんですなぁ、引き返しにくいといぅ段階で、そのタ
イミングで「ちょとお茶漬けでも」「いやまた、いやけっこぉです」と帰っ
てしまう。

 ちょいちょいこれを喰らうと、段々むかついてくるやつがおりまして「い
つも帰りかけたら茶漬けや茶漬けやぬかしやがる。よし、いっぺんあの茶漬
けを食てこましたれ」ちゅな、また物好きな人がおって、これを食べたさに
わざわざ大阪から京都まで、電車賃使こて行たやつがあるっちゅうんやさか
い、昔しゃ暇な人が多かったんですなぁ。


私がこの落語を初めて聞いたのは今から40~50年前で故桂米朝さんが演じていたものでした。

珍しい噺でこの話を演じていたのは故桂文我さんか小米時代の故桂枝雀さん位だったと思います。

この当時でも電話(固定電話です)が普及してからは大概アポイントを取ってから訪問するようになったのでほぼ死語になっているということでしたが、日本の中の中華思想の持ち主である京都の人達の「本音」と「建て前」がいかに違うかという事を勉強させてもらいました。


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Posted by 安儀製餡所 at 21:13 音楽コメント(0)

青大豆

2018年12月05日
2018年ももう終わりという事で、かなり古い話になってしまいましたが、今年は8月末からいろいろな天災が日本中を襲いました。

ニュースでご覧になった方も多いと思いますが,、比較的天災による被害を被る事がなく、そのため他所から「泉南ボケ」などと揶揄されていた泉州地方ですが、9月4日に直撃した台風21号では大変な被害を受けました。

幸い弊社は電気などのインフラが止まることがなく、屋根の瓦が落ちた程度で済みましたがそれでも未だにまだその、その事後処理に追われています。

ちょうどそのころ(正確には9月29日)、NHKの「ブラタモリ」という番組で「山形・酒田~山形・酒田はなぜ日本の中心」という放送がありました。

最近、弊社でも青大豆を使って 「くるみ餡」 を作っているのですが、この青大豆が山形県産の 「越後緑」とか岩手県産の 「岩手緑」という大豆を使っています。

この番組を見ていて、ふと「くるみ餅」で有名な堺にある某有名店は豊臣秀吉の時代から商売されていたということですから、きっと江戸時代にはこの西廻り航路で摂津の港に着いた青大豆を使っていたのかなあ。と想像してしまいました。(あくまでも私の想像です。)

北前船と酒田の繁栄

番組のHPから引用しますと

酒田は西回り航路の起点となり、北前船の時代に繁栄を極めた場所でした。でも、どうして江戸から遠く離れた酒田が日本の物流の中心ともいうべき場所になったんでしょう?そこには最上川を生かした水運と豊富にとれる米、そして北前船がもたらす全国の産物の恵み、そして酒田港を強くサポートする沖合いの島の存在がありました。自然の恵みをたくましく生かした酒田の人々の知恵に、タモリさんが迫ります。 まずタモリさんが向かったのは、町のシンボル鳥海山を臨む最上川の河口域。実はこの最上川こそ、酒田発展の足がかりとなった場所でした。屋形船に乗って川岸を観察していると、古い石垣と船を発見。これこそが、かつて川を使って行われていた水運の痕跡。上陸して巨大な倉庫の中に入ると、そこには圧倒されるほどの量の米、米、米!酒田は最上川流域の米を集め、西回り航路を通じて一大消費地・江戸に送り込む重要な場所だったんです。この航路を利用して発展したのが、北前船。米だけでなく、日本海側の優れた産物を流通させていました。





この西廻り航路こそが幕府の御用米と一緒に昆布などの北海道の海産物やそれと一緒に山形や岩手、宮城などで採れた青大豆も最上川→酒田→大阪と運んでいたとしてもおかしくないでしょう。


hana3青大豆

そこで、今回は少し 青大豆 について私の知っていることや調べたことを書いてみたいと思います。残念ながらあまり青大豆について詳しいことはないので、間違っている点も多々あるとは思いますがご了承ください。i



青大豆の特徴




さて、お気づきとは思いますが、青大豆と言っても実際はどちらかと言えば 緑色 に近いと言えます。私の想像ですが、これは「緑色の信号機のランプを青信号という」(昔は緑色を青色と言っていた)のと同じ理由だと思います。


また青大豆には青・青と呼ばれる「種皮だけでなく、中身の実(子葉)も、胚芽も緑色」と、青・白と呼ばれる「種皮が緑色で子葉が白色」の二つがあります。

以下は新潟市にある株式会社 髙口又四郎商店 さんのHPより引用させていただきます。

青大豆とは

「青大豆」は大豆の中でも、熟しても青い色のものをいいます。ほとんどの大豆は、熟すと黄色や黒色になりますが、青大豆はなぜ青いまま。それは青大豆と普通の大豆はそもそも別品種だからです。お米は「コシヒカリ」や「あきたこまち」などいろんな品種がありますが、大豆にも品種の違いがあるんですね。
青大豆は黄色い大豆と比べ“油分が少なく”その代わりに“糖分が多い”など成分も異なります。また、青大豆は普通の豆と比べて見た目は大粒。風味豊かで甘みが強く、そして低脂肪でおいしい青大豆は希少価値が高い隠れた名品といわれています。


青大豆の産地

青大豆は流通量も少なく、皆さんがほとんど目にすることがないかもしれません。国内の産地では秋田・山形などが有名ですが、それほど多くつくられているわけではありません。その理由は、おいしい青大豆は栽培が難しいからだといわれています。青大豆は病気にかかりやすく、収穫も手作業で大変なのだとか。そのため、実がなる時期に早く涼しくなる東北や北海道で少量作られているのが現状です。
このような理由で、青大豆はなかなか皆さんが手にする機会がないんですね。特に国産の青大豆は量も少なく値段も張ります。


「青大豆」と「枝豆」は違うの?

「青大豆」と「枝豆」と名前だけ聞くと、ついつい違う作物かな?と思ってしまいます。しかし、両者の見た目はそっくり!「青大豆と枝豆って何が違うの?」と疑問を持つ方は多いんです。
そもそも「枝豆」は、未成熟な大豆を収穫したものです。つまり、枝豆と言う植物があるのではなく、収穫時期が違うだけなんです。もともと同じ植物ですので、枝豆をそのまま成熟させていくと大豆になるのです。
最近は特に、香りのする青大豆が“香り豆”と呼ばれています。最近人気の枝豆“だだちゃ豆”は香り豆とよばれる青大豆を使っています。



つまり、“だだちゃ豆とは未成熟な青大豆を収穫したものという事です。(こう書くと身もふたもない気がしますが)

だだ茶豆
「だだちゃ豆」とは、山形県庄内地方の中でも鶴岡市周辺の限られた地域で、地元農家の手によって、古くから大切に守り育てられてきた在来種の枝豆です。


だだ茶豆の特徴

「だだちゃ豆」は栽培する土地が合わないと風味が落ちてしまい、生産地が限られるといわれています。そして収穫期も短く、また保存も困難だったため、長らく「幻の豆」と呼ばれてきましたが、近年の輸送手段の向上等により全国的に知られるようになりました。
サヤの毛が茶色で、くびれも深く、見栄えは必ずしも良くありませんが、他にない独特の甘みと濃厚な風味があります。
2粒サヤの出る割合が、ほかの枝豆よりも多いのも特徴です。粒が少ない豆はその分旨みが凝縮され、美味しくなります。1本の枝になる2粒サヤの豆が多いほど、その豆は「美味しい」と感じられるのです


まあ、泉州地方の 水なすび みたいな感じです。

上記から「だだ茶豆」とは山形県庄内地方の中でも鶴岡市周辺の限られた地域で、地元農家の手によって、古くから大切に守り育てられてきた在来種の未成熟な青大豆ということになります。

在来種の青大豆

青大豆には XXX みどり という名称のものが多々あります。以下は有限会社日本クラシア・フードサプライ さんのHPからの引用です。

秋田みどりとは秋田県大潟村を中心に秋田県内で作られている青大豆です。種皮も実(子葉)も胚芽も全て緑色をしています。

東北には他にも「越後みどり」「岩手みどり」などの青大豆もありますが、この二者は在来種で、あきたみどりだけが登録品種です。
登録品種とは農水省に品種として登録されたちゃんとした品種ということです。
「あきたみどり」の「越後みどり」「岩手みどり」との違いはそんなところにもあります。

さて、それではこの在来種とはどういう意味なのかという疑問が残ります。

在来種の定義

定義そのものが結構曖昧な所があるみたいですが一応 「ある地方で、長年他の地方の品種と交配されず飼育または栽培されてきた品種。」
という事です。

後、私が疑問に思ったのは、山形県で採れるのになぜ「えちご緑」と呼ばれているのか?ということです。
ご存知の方がいれば教えていただきたくおもいます。

枝豆の品種

最後に枝豆(未成熟な大豆)の種類を紹介しておきます。以下はえだまめ日和というサイトからの引用です。

枝豆として栽培されているものは大きく分けて3種類あり、種皮やサヤのうぶ毛の色の違いから、「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」に区別されます

face01枝豆 白毛豆(青豆)→黄大豆


国内で最も流通しており、癖がなく万人受けする一般的な種類の枝豆です。
サヤのうぶ毛が白いものが多く「白毛豆」と呼ばれ、また種子の状態で、通常の大豆色もしくは薄い緑色をしたものを総じて「青豆」とも呼びます

face01枝豆 茶豆→青大豆

一般の枝豆は関東地方の生産が多いのに対し、茶豆は東北地方が生産の中心になります。
外見は普通の枝豆ですがサヤの中の豆が茶色の薄皮を被っていることから茶豆と呼ばれています。2粒サヤが主体の品種であり、3粒以上のサヤはほとんどありません。

face01枝豆 黒豆→黒大豆

関西地方で多く栽培されており、京都の丹波地方等に代表される丹波の黒豆が有名ですが、一般的には正月用の煮豆等に使用されています。
枝豆としては、黒大豆が成熟して黒豆になる前の若いものを収穫します。サヤの中で黒くなる前の状態のため、サヤの中の薄皮がうっすらと黒みを帯びています。大粒の豆と黒豆特有の深い甘味と凝縮されたコクが特徴です。

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Posted by 安儀製餡所 at 22:58 くるみあん音楽コメント(0)

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