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食品の冷凍・解凍方法について興味を引く記事を見つけましたので少し紹介したいと思います。
日本経済新聞 2012年4月29日版に
『不凍たんぱく質』に関する記事が載っていました。
食品を冷凍・解凍した場合、味がおちる理由は、【
食品の冷凍・解凍方法】 で少し説明しました。
今回のものも、その味落ちを防ぐための根拠は同様です。
冷凍する時に氷の結晶を大きくならないようにして食品内の組織を傷つきにくくして、解凍する時にドリップ液が流出するのを抑えるというものです。
その手段として、商品化された 「不凍たんぱく質」 を使うということです。
以下は 「不凍たんぱく質」 について簡単な説明をしたいと思います。
南極の魚はなぜ凍らないのか?
すべてはこの単純な疑問からスタートしました。
南極に住む 「ノトセニア] は不凍たんぱく質を持っているので-2℃でも凍らない。普通の魚は-0.7℃で凍ってしまう。
詳しくはこちら⇒
http://www.kaneka-finefood.com/about/index.html
役割
新聞によれば次の三点です。
① 魚などは氷の結晶が大きくなることを防げ、体を壊さないようにして低温で生き抜いていけるようにしている。
② 植物は乾燥に耐えるために使う。植物にとって乾燥は低温と同じくらい生存するうえで脅威となる。不凍たんぱく質は、体内の水分が氷として外に出ないように囲い込む。体内から水分が失われる状態を防ぐ。
③ 氷の結晶が育つのを妨げるほか氷結晶に結合して安定な状態にすることから、溶けだす温度を引き上げる。
利用例
意外ですが、アイスクリームに不凍たんぱく質を混ぜる。アイスクリームが凍らなくなりそうですが、不凍たんぱく質には別の働きがあります。氷の結晶が育つのを妨げるほか氷結晶に結合して安定な状態にすることから、溶けだす温度を引き上げるという特徴もある。アイスクリームが溶けにくくなるという効果が期待できる。
米国では遺伝子組み換え技術を駆使してつくった 不凍たんぱく質を使っている。
問題点
① 魚類からの抽出が主な精製法で非常に高価であった。
② 遺伝子組み換え細菌を用いた量産技術が確立された。が、人体へのアレルギー性や毒性が懸念される。ただし現在のところ、人間へのアレルギー性や毒性は報告されていない。
③ 不凍たんぱく質を投入すことによる、食品の味そのものへの影響。
④ これは素人の素朴な疑問なのですが、不凍たんぱく質の熱に対する耐性がどうなのかという点です。
通常食品加工の現場では、食品添加物は加熱処理・撹拌を同時に行い、その過程で投入されることがほとんどです。通常たんぱく質は熱に対して弱いことになっています。したがって、加熱処理中に投入して効果があるのかという点です。
ただし新聞記事によれば 「だし巻き卵」 で効果を発揮しているということなので心配は不要みたいです。
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前回紹介した方法と比べて設備投資の必要がないのが魅力です。
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