カナダ小豆
先日、あるお客様と話をしたら「私の所は国産のカナダ小豆で作った”あん”を使っている。」という話になりました。
私としては「国産のカナダ小豆?」という感じです。
よく話を聞いてみると次のように思われていたみたいです。
つまり、カナダ小豆という品種の小豆があり、これが北海道で栽培されている。
しかも加工された粒あんの表示は国内製造と書かれている。
国内製造と表示されているため、てっきり国産(北海道産)のカナダ小豆という品種の豆で作った粒あんと勘違いされていたのです。
以前にも書いたのですが、ルール的にはこの表示は問題ありません。
ここです→
http://blog.yasugianko.com/e483702.html
お客様には「カナダ小豆という品種は存在せず、これは日本の小豆をカナダで契約栽培したものを輸入したもので、通常カナダ小豆と呼ばれているものです。表示のルールとしてはカナダ小豆を使っていても日本の工場で製造されれば国内製造で通るわけです。」と説明しました。
十勝小豆
同様に十勝小豆という品種の小豆は存在しません。
よく和菓子とか,あんパンのパッケージに十勝小豆使用とか書かれていますが、私はこれを見るとこの製造者はあまり小豆についてはくわしくないのかなあと思ってしまいます。
まだ”十勝小豆”ではなく”十勝産小豆”なら理解できるのですが。
この十勝小豆という表示は前述したカナダ小豆と同様に誤解されている方も多いのではないでしょうか。
私の個人的な見解としてはこの誤解を生みがちな十勝小豆という表示は好きではありません。
この十勝小豆という表示から考えられる小豆は
①北海道十勝地域で栽培された小豆、ただし、品種、選別基準については不問とする。
②北海道十勝地域で選別作業、袋詰めされた小豆、ただし、生産地、品種、選別基準については不問とする。
③北海道十勝地域から出荷された小豆、ただし、生産地、品種、選別基準については不問とする。
という所です。
基本的には十勝小豆と言えば①のことだと考えている人が多いと思います。
小豆の名称・種類については以前少し書きました。 ここです→
http://blog.yasugianko.com/e235985.html
どうしてあまり好きでないかというと生産地を十勝と限定すると選択の幅が狭くなる,
品質よりも十勝小豆というブランドを優先せざるを得ないことになるからです。
たとえば、小豆が不作の年など十勝産の二等(二格)小豆が品薄になった場合でも、北海道の十勝以外で採れた小豆ではなく品質の劣る十勝産小豆を使わざるを得なくなってしまいます。
結果的に消費者により良い商品(あん)を食べてもらうことができなくなります。つまり他の地域で採れた二等小豆があっても、十勝産小豆の等外品を優先するということになります。
ですから個人的にはあまり十勝(産)小豆という表示は好みません。
次に十勝地域について
十勝地域
■十勝(とかち)とは
北海道を14に分けた「総合振興局」の一つの名称です。
帯広市を中心とする十勝地域は19市町村からなり、岐阜県や秋田県と同じぐらいの大きさです。北海道の中では道東(どうとう)エリアに位置し、広大な「十勝平野」が広がっています。
中心都市は帯広市(おびひろし)です。
「十勝」という地名は、アイヌ語の「トカプチ(管内を流れる十勝川を意味している)」からといわれています。
北海道の開拓が官主導で進められる中、十勝の開拓は「晩成社」をはじめとした民間の開拓移民によって進められました。
十勝地方は、太平洋岸を除き大陸性気候です。
年間を通じて、全国的にも有数の日照時間に恵まれ、年間降水量は少ない地域です。
昼夜の寒暖の差が激しく、日照時間にも恵まれた十勝では、甘くて美味しい作物が収穫できます。
【春】
乾燥した季節風が、日高山脈を越えて強風となることがあります。
【夏】
海岸部では日中の気温があまり上がりませんが、内陸部では比較的高温が続きます。
【冬】
大陸性寒冷高気圧により低温が続きます。
日高山脈で雪雲が遮られるため降雪量は少なく、晴天の日が続きます
以上はここからの引用です→
http://tokachi-love.net/tokachi/
農林水産省「作物統計」平成30年(2018年)によると小豆の生産量で国内における北海道の割合は約93%です。
平成27年度 農林水産省統計部「作物統計」によれば、十勝地域の小豆生産は北海道全体の7割にもなります。(市町村別の統計は平成28年以後は廃止されています。)
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