宇治金時?

2017年02月16日
先日 あるところで「かき氷の『宇治金時』は金時豆ではなく小豆を使っているのになぜ「宇治金時」というのか?」と質問されました。

今まで気にも留めていなかったのですが、そう言われれば少し気になったのでわかっている範囲の事を書いてみたいと思います。

金時は赤色の象徴




金時は「金太郎」のモデルとされる『坂田金時』に由来します。

その『坂田金時』が力自慢で赤茶色の肌で、力を入れると肌が一層真っ赤に染まったといわれます。その言い伝えから、濃い赤色のものを「金時」と呼んだのです。そこから赤色の豆である『小豆』が入っているかき氷を『宇治金時』とか『ミルク金時』とか呼んだとされています。


これは他の『金時人参』や『金時いも』についても同様です。

金時人参



以下はウイキペディアからの引用です。

金時にんじん(きんときにんじん)は、ニンジンの品種。京にんじんとも呼ばれる。ブランド京野菜に指定されている。

根は長さ30cmほどの長円錐形で先が鋭くとがり、いぼが白い。リコピンを含み内部まで鮮やかな紅色を呈す事から、「赤ら顔の坂田金時」が名称の由来となっている。過湿を嫌うため栽培には高い畝が必要であり、晩生でとうが立つのが早いため収穫時期は短く、収量も少ない。また、西洋ニンジンより栽培に長い期間が必要であり、根が長いため割れやすく収穫に機械が使えないなど、栽培には難点が多い。収穫時期は11月から3月。

一方で、西洋ニンジンと比べて肉質が柔らかく甘味は強く、ニンジン特有の臭いが少ない。煮くずれもしにくいため煮物に向いており、御節料理や粕汁などに用いられる。ビタミンA、B、Cや食物繊維が豊富に含まれる。なお、16世紀に中国経由で日本に伝わった東洋系のニンジンとしては、唯一の現存種である。


金時いも


幻のサツマイモ・紅赤(べにあか)の同種異名。(以下は「さいたまるしぇ」 HPからの引用です。

紅赤(べにあか)は、「金時いも」とも呼ばれ、皮色が紫紅色であざやか、形は長紡錘形で外観が美しく「さつまいもの女王」とよばれています。 肉質は黄色で粉質、口当たりや味が良く、「きんとん」や「あん」の材料として珍重されています。 しかし、植付け適期が短く、肥料や土質への適応力や病害虫抵抗性が低いうえ貯蔵性が悪いため、農家としては栽培がしにくい品種です


近年スーパーマーケットで「金時」表示されている鳴門金時、五郎島金時などの品種は高系14号であり、昔ながらの金時いもとは異なります。

最後に金時豆について少し書いてみたいと思います。

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タグ :金時豆

Posted by 安儀製餡所 at 15:52 あんこ豆知識コメント(0)

ずんだあん

2016年08月24日
先日放送された「グレーテルのかまど」では『ずんだもち』が取り上げられていました。

そう言えば同じNHKの「真田丸」でも伊達政宗が自ら餅を打って豊臣秀吉にずんだもちを献上するというシーンがありました。(これは三上幸喜氏の創作でしょう。)

私もこの6月25日にたまたま東京に行く用事があったので帰りに東京駅の「ずんだ茶寮」さんでお土産を買って帰りました。

それで、門外漢ではありますが、「グレーテルのかまど」の内容を中心に ずんだあん や ずんだもち について書いてみたいと思います。

その前に同じ枝豆を原料にする くるみあん について。

face01 くるみあん

私が住んでいる大阪の泉州地方でも枝豆を材料として くるみ餅 という和菓子が食べられています。但しくるみ餅の場合、同じ泉州地方でも黄大豆(乾燥大豆)、青大豆、枝豆、あるいはそれらを抹茶で着色したものなど結構バリエーションがあります。

これが「ずんだもち」と「くるみもち」の違いの一つです。

つまりずんだあんは枝豆で作ったあんを指しますが(ただし、ソラマメを使うところもあると以前何かで読んだことがありますが)、くるみあんは黄大豆、青大豆、枝豆それぞれを使って作ったあんを指します。

face01 青大豆、黄大豆、枝豆の味の違い

簡単に言えば黄大豆はタンパク質が多く、澱粉が少ない、一方枝豆は澱粉が多く、タンパク質が少ない。青大豆は両者の中間ということです。
 これからそれぞれの味の違いが出てきます。

face01 ずんだあん の 作り方

今回の放送では くるみあん をつくるうえでも重要なことを放送していました。 

その一つは 枝豆の薄皮を丁寧に剥くことです。枝豆、黄大豆の場合は特にこの点が重要です。

ただし、青大豆を使う場合は若干事情が異なります。以前に書いた記事「うぐいす(餅)何色か?」でも書いたのですが、青大豆の場合、薄皮を完全に剥いてしまうと、その美しい青(緑色)が出ません。

次に番組の作り方を参考にすると ずんだあん と くるみあん の大きな違いの一つは砂糖(番組では液糖)と磨り潰した枝豆を混ぜ合わせる際加熱する(餡練り)かどうかです。

加熱する、しないはそれぞれ長所、短所があります。

face01 長所

枝豆の美しい緑色は加熱すればするほど色が飛んでいきます。

したがって、色を残すためにも、この番組で放送されたようにペースト状の枝豆と砂糖(番組では口当たりをよくするために液糖を使用)を混ぜ合わし、すぐ冷蔵庫に入れて冷却するのが一番です。 ただ私が買った「ずんだ茶寮」のものは色落ちを防ぐため?に使った着色料(クチナシ色素)が表示されていました。

face01 短所

ただし、加熱しなければ、当然のごとく菌の増殖が早まり、食品の品質を維持することが難しくなります。
したがって、消費期限も短くなりその分価格に転嫁されることになります。

枝豆(大豆)の場合、小豆と比べて芽胞菌が繁殖しやすいのです。納豆はその性質を利用した納豆菌による発酵食i品です。


前述したように番組では砂糖の代わりに液糖(何かは分かりませんが)を使用していますが、これはずんだあんが口に合わない人がよく言う「パサパサなところが苦手」という点を解消するための方法と推測されます。つまり くるみあんのほうが 餡練りをするため食感が滑らかになります。

いずれにしても非常に扱いづらい あん といえます。


なお、手前みそになりますが弊社のくるみあんは着色料や保存料、PH調整剤等は使用していません。



Posted by 安儀製餡所 at 16:28 あんこ豆知識コメント(1)

白あんの原材料

2015年10月13日
さて以前にあんこの原材料として 赤あん、粒あんには「アズキ種」が主に使われると書きましたが、今回は「白あん」によく使われるマメ科の植物について書いてみたいと思います。

前回と同じように下の図をもとにして説明していきます。




白あんの原料として使われるマメですが、私は三つに分類できると思っています。

インゲンマメ属インゲンマメ種、インゲンマメ属ライマメ種、ササゲマメ属アズキ種 です。以下はそれぞれについて簡単に説明したいと思います。


face01 インゲンマメ種

この中でも白色系の 手亡 白金時豆 大福豆 グレートノーザン が現在白あんの原材料としてよく流通しています。
 
hosi 手亡


さて上記の中で和菓子用の白あんの原材料の代表と言っても過言ではないのが手亡です。

その用途は幅広くみなさんが和菓子と言えば真っ先に思い浮かべる上生菓子の練り切りから大判焼き(回転焼き)の白(粒)あんまで多岐に渡ります。

また、永年手亡といえば北海道産と相場が決まっていましたが、ここ数年は外国産、特に北米産のものがかなり流通してきました。


hosi 大福豆


大福豆は白あんの原材料の中で「高級菜豆」と呼ばれるものの一つです。(「高級菜豆」については後述します。)

hosi 白金時豆

白金時豆は日本を代表する老舗㈱虎屋さんが羊羹に使っていることで有名です。

また我々大阪(特に泉州)の人間にとっては㈱青木松風庵さんの「月化粧」の材料として知られています。

実は私は白金時豆は高価なことからてっきり「高級菜豆」の一つだと思っていたのですが、後述する草型の分類上はわい性に属するため「高級菜豆」に含まれません。


face01 高級菜豆と品種の草型によるタイプ分類


インゲンマメ種には、種皮の色や模様、豆の形や大きさが異なる様々な品種がありますが、品種による形態的な違いが大きく、草型により次のようなタイプに分類されます。

hoshi2 叢性

つるを出さず、主茎頂部に花房がつき、分枝して横に広がります。草丈は55~65cm程度で、栽培時に支柱は不要です。手亡(てぼう)類のうち、近年栽培されている「姫手亡」、「雪手亡」、「絹てぼう」がこれに該当します

hoshi2 半つる性

つる性とわい性の中間タイプです。つる性と同じように、つるを出して主茎頂部に花房を付けませんが、茎長は100~120cm程度で、支柱を立てずに栽培します。このタイプは、手亡類のうち「大手亡」、「銀手亡」や、うずら類のうち「福粒中長(ふくりゅうちゅうなが)」などかつて多く栽培されていた品種にみられます。

hoshi2 つる性

つるを出し、主茎頂部に花房を付けず、周囲のものに巻きつきながら伸長を続け、草丈は2.5~3mにも及びます。このため、ネマガリタケ等から作った「手竹(てだけ)」と呼ばれる支柱を立てて栽培します。虎豆類や大福(おおふく)類がこれに該当します。なお、いんげんまめとは種が異なる「べにばないんげん」に属している花豆類もほぼ同様な方法で栽培され、用途にも大差がないことから、上記のようなつる性のいんげんまめと併せて「高級菜豆」と総称されています(注:「菜豆(さいとう)」はいんげんまめの別称。)。

hoshi2 わい性

つるを出さず、主茎頂部に花房がつき、草丈は35~40cm程度で、栽培時に支柱は不要です。金時類全般やうずら類のうち、近年多く栽培されている「福うずら」がこれに該当します。




face01北海道のいんげんまめ(菜豆)の優良品種指定状況
(公財)日本豆類協会HPより



hosi グレートノーザン

カタカナ表記であることから推測される通り日本ではなく、主に北米大陸で栽培されています。

手亡と比較的味が近いことから海外で手亡が栽培される以前は、その代用品として流通していました。

次に白あんの原材料として最も流通量の多いライマメ種について説明します。
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Posted by 安儀製餡所 at 15:44 あんこ豆知識コメント(0)

能登大納言

2015年05月23日
世間では少しは話題になっていると思われる「能登大納言」

能登大納言産地協議会のHPから引用すると

能登大納言小豆とは?

 奥能登地方独特の気候風土に育まれた『能登大納言(のとだいなごん)』は、全国に数ある大納言小豆の中でも、粒の大きさと宝石のような鮮やかな赤い色が特徴の小豆です。
 
県内の和菓子屋さんからは、「大粒の豆をそのまま生かせ、皮が柔らかで風味がよい」と高く評価され、高級和菓子の材料として珍重されています。

 収穫は、“さやぼり”と呼ばれる手作業が中心で、ひとさやずつ手で丁寧に収穫します。そのため高品質ではあるものの、作付面積の拡大が難しいという課題がこれまでありました。

 現在、産地では収量・品質向上のための栽培試験や、新たな栽培農家の募集などを通じて、高い品質を維持した生産拡大に積極的に取り組んでいます。


実は弊社でも今から20年程前に「能登大納言」を使っていたことがあります。

親しくしている神戸のある豆問屋さんが全国の大納言小豆を食べ比べて、その結果一番おいしかったと推薦して来たのが「能登大納言」でした。

弊社でも泉州、和歌山のお客様に推薦してみたのですが、なかなか使ってもらえませんでした。

理由としては

、① 関西では知名度が低い。どうせ使うなら「丹波大納言」を使う。

 ② 安定供給、価格の変動に不安が残る。

というのが大多数でした。

結局弊社でも価格の高騰と共に自然消滅しました。

確かに地元の農家と太いパイプのある石川県の和菓子屋さんならともかく、こちらでは期間限定、ユーザー限定的な使い方しかできなかったといえます。


タグ :能登大納言

Posted by 安儀製餡所 at 21:00 あんこ豆知識コメント(0)
去る10月30日、神戸で「豆の日」協賛イベントとして

身体に良い豆料理を食べよう2014 が行われました。

その中で「豆で美しく健康に!」というテーマで 農学博士 加藤 淳 先生が講演されました。

私が仕事でよく使っている 小豆や大豆についていかに身体に良いかを分かりやすく説明して下さいました。

講演が終わった後の質疑応答の時私が「日頃よく使っている大豆の銘柄 ツルノコ や トヨマサリ の イソフラボン含有量が示されていないのはどうしてなのか?」と質問をしたところ、先生は「ツルノコ、トヨマサリは流通銘柄であって、品種を表しているのではない」と答えられました。

私の大豆に関する勉強不足を露呈することとなりました。

そこで、弊社がよく使う大豆 ツルノコ、ツルムスメ、トヨマサリ について、「くるみあん」に使うには何が最適か?」という観点からここでは書いてみたいと思います。





Ⅰツルノコ、トヨマサリとは
   
   ツルノコ、トヨマサリ とは固有の品種(銘柄)を表すのではなく、何種類かの品種を含んだ品種群のことである。
品種群による産地品種銘柄

  産地品種銘柄の品種は、通常、特定の1品種ですが、上記のように複数の品種のグループである品種群について設定されているものもあり、現行では、全て北海道産で次のリストのとおりです。


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Posted by 安儀製餡所 at 17:09 あんこ豆知識コメント(0)

インゲン豆高騰の背景

2014年05月08日
さる5月6日 NHKで「オシム 73 歳の闘い」. が放送されました。

番組の最後にボスニアヘルツェゴビナ代表が対戦するアルゼンチンについてオシムが語っていました。

アルゼンチンは昔から、ヨーロッパに、フットボール選手と牛肉を輸出しているが、そのいずれもがヨーロッパに搾取されている。


しかしながら、アルゼンチンはフットボール選手と牛肉だけでなく、実は食用の豆(アルビア豆という白いんげん豆)もヨーロッパに輸出しているのです。


アルビア豆


2013年にこの豆が不作になり、さらに様々な悪条件が重なり白餡の原料となる白いんげん豆が世界的に高騰しました。

以下は白いんげん豆高騰の背景です。(分かりにくいと思いますので下の表を見ながら読んでください。)



①アルビア豆不作の影響

 2013年にアルゼンチンの記録的な干ばつ被害により通常年14万トン収穫されるアルビア豆(白いんげん豆)が

壊滅的な状況となった為、もともとアルビアを買い付けていたヨーロッパが代替を求め、白系いんげん豆を

全世界で買い付けに走りました。


アメリカではまず粒形が似たグレートノーザンやネイビービーンに買いが入り、価格が高騰した為に最近では

ベビーライマにまでヨーロッパが手を伸ばした為、かなり品薄になりました。注)日本ではベビーライマは餡以外には使えません


②ベビーライマ(USA)の状況

2013年産ベビーライマは作付け面積が前年比4割減となっていたところにこのような状況になった為、価格が

上がり、その後産地のカリフォルニアが干ばつとの情報がはいっており、ますますの高値が予想されました。

③バター(ミャンマー)の状況

バターについては2013年産の作付け時期に水が引かず蒔きつけが遅れた影響で収穫も遅れた為に昨年の

輸入も遅れました。 バターは夏場以降にシアンが上がり日本の基準を上回る可能性があるので8月以降は輸入

出来ない為、平年に比べ輸入量が少なく、国内ではかなり品薄となっており、価格が高騰する原因となりました。



④ 顛末

結果、以上①~③が重なり世界的に白系いんげん豆が品薄になり高騰したと考えられます。




Posted by 安儀製餡所 at 18:39 あんこ豆知識コメント(0)
小豆(あずき)の種類

あんこの原材料として比較的よく使われている豆は、下記ように分類されます。



このなかで、とくによく使われるのが、

 赤こし餡、つぶ餡・・・・・・小豆種
 白こし餡・・・・・・・・・・・・・インゲン豆種、ライ豆種

です。

今回はやはり あんこの原材料と言えば「小豆(種)」でありますので、その種類や名称について、説明していきたいと思います。

 小豆の名の由来は、江戸時代の学者、貝原益軒の「大和本草(やまとほんぞう)」によれば、「あ」は「赤色」、「つき」及び「ずき」は「溶ける」の意味があり、赤くて煮ると皮が破れて豆が崩れやすいことから「あずき」になったとされています

前回の「特色のある原材料」でも少し説明しましたが、小豆には様々な切り口から名前がつけられています。

たとえば、国産小豆、北海小豆、十勝エリモ小豆、特別栽培小豆、雅、大納言・・・・・

これらは何を表しているのか、違いはなにかをあくまでも簡単に説明したいと思います。

(以下「豆類協会」のホームページを参考にしていきます。もっと詳しく知りたければ、そのサイトを読んでください。)

face01 品種による分類

現在、餡の材料として使われている小豆の品種は大きく「大納言」と、「大納言以外の普通品種」に大別できます。

hoshi2 大納言

小豆の中でも、特に大粒で煮ても皮が破れにくい特徴を持つ特定の品種群で、流通・加工上、普通の小豆と区別して扱われます。

この「煮ても皮が破れにくい」という特徴がいわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿の官位である「大納言」とという名前の由来になったという説もあります。




大納言

hoshi2 小豆(大納言以外の普通品種)

一般的に小豆と言う場合は、大納言以外の普通品種を指します。


小豆(普通品種)

なお、煮崩れしにくい特性を持たない品種は、いくら大粒であっても「大納言」とは呼ばれず、通常「大粒小豆」とよばれます。(これは、品種による分類ではなく選別基準による分類になります。)

小豆の普通品種には、「エリモ小豆」、「きたのおとめ」、「しゅまり」「きたろまん」等があり、作付面積は、「エリモ小豆」が約5割を占めています。

ちなみに、某コンビニチェーンで大々的に宣伝された「ゆめむらさき」というのも、マイナーな普通品種の一つです。

さて、「品種による表示」で気をつけなければならないには次のような場合です。


これは、黒豆に多いのですが、たとえば、中国で丹波黒豆(これは品種名です)を栽培し、それを日本に輸入し加工して販売しても、、現行の「原材料の原産地表示」のルールに則れば表示上は「丹波黒豆」で通るわけです。

まあ、極端な話中国で「エリモ小豆」を栽培しそれを使って加糖餡にしてもエリモ小豆使用で通ります。

hoshi2 白小豆


小豆の種皮色は通常は赤(あずき色)ですが、他に黒、白、緑、茶、灰白、斑紋、白地赤斑などあります。
しかし、国内生産があるのは白小豆(しろあずき)と呼ばれる白系統で、岡山県の「備中白小豆」、北海道の「きたほたる」などの品種がごく僅か生産されています。 


白小豆

「備中白小豆」、という名称は特定の原産地と品種が組み合わさって、いわば特定の銘柄になっています。

face01 特定の生産地が名称に着いた小豆

一番大きい分類は「国産小豆」と「外国産小豆」となります。しかしながら何度も言いますが、現行のルールでわざわざ外国産小豆とか中国産小豆と表示する必要はありません。

したがって現在は「十勝小豆」のように国産でその生産地のブランド性を強調したい時に使います。



face01 特定の栽培方法が名称に着いた小豆

特別栽培(特栽)小豆, 有機栽培小豆

ここで注意しなければならないのは、有機栽培小豆です。

以前「特別栽培小豆}の記事で説明しましたが、現在日本では「有機栽培として認定されている小豆は皆無である」と言っても過言ではありません。(ごく微量ではありますが、生産されているという情報もありますが)

したがって、現在日本で流通している「有機栽培小豆を使った加糖餡」というのは、有機栽培の認定基準が日本と比べてはるかに緩い海外で栽培された小豆を原材料を使っています。

ただし、現行の「原材料の原産地表示」のルールに則れば、残念ながら違反ではありません。

加糖餡はルール上原材料の原産地表示を示す義務はありません。

face01 小豆の選別基準が名称に着いた小豆

二等小豆 大粒小豆 二挌小豆 等外小豆 三挌小豆等

face01 特定の銘柄、ブランドが名称に着いた小豆

大別すると次の二つになります。

hana3 農協、産地問屋のオリジナルブランド

ホクレンの雅 クリーン100 クリーン80 などがその代表です。




hana3 生産地と品種の組み合わさったもの

丹波大納言 備中白小豆 十勝エリモ小豆 などがその代表です。





Posted by 安儀製餡所 at 21:13 あんこ豆知識コメント(0)
現在、世間の話題を独占している理化学研究所ですが、いまのところ得をしているのは非難が向かなくなった『佐村河内』氏だけという感じです。

さて、日本の最高峰の研究機関である「理化学研究所」と斜陽産業である製餡業界が直接関係がある筈がないのですが、過去にそこから派生した会社「理研ビタミン」と非常に緊迫した関係になったことがあります。

今から何年前だったか忘れましたが、何を思ったのか理研ビタミンが中国で加糖餡を製造し、日本市場で販売していました。

資本力、技術力は私たち「あんこ屋」では、到底太刀打ちできません。その上人件費が安く、規制の緩い中国で製造され、私たちが想像できないくらいの安価な加糖餡が市場に出回りました。

弊社のような零細企業の製餡所は日本から姿を消すのか?とも思いました。

が、結局、加糖餡を販売しても儲からないということで、さんざん市場を荒らして撤退しました。













Posted by 安儀製餡所 at 20:44 あんこ豆知識コメント(0)
冷凍食品に次いで和菓子でも農薬によるとマスコミに報道されている異臭騒ぎ事件が起こっています。

報道では北米産のインゲン豆の残留農薬(ジクロロフェノール)が原因となっていますが、はたして他の可能性はないのでしょうか?

今回はジクロロフェノールによる異臭騒ぎの過去の事例を紹介したいと思います。

face01 甘納豆による苦情事例

hana3 苦情内容

平成15年2月、都内で販売されている甘納豆について、「いつもの製品と味が違う」、「カルキ臭、消毒臭がする」などの苦情が保険所に寄せられた。

hana3 検査結果

検体からジクロロフェノールが検出された。

hana3 混入原因

配管修理に用いられたシール剤及び補修用塗料を塗布した鋼管の乾燥、沈管が不十分であったため、フェノール類が配管内に溶け出し、これがボイラー水として使用されていた水道水中の残留塩素と高温化で反応してクロロフェノール類(ジクロロフェノール)が生成したものと推察された。

そして、このクロロフェノール類を含む蒸気が釜の底部の亀裂から釜中に侵入し、製品の甘納豆を汚染したものと考えられる。

クロロフェノール類は官能関値がフェノールの1000分の1と低く、今回の事例のように0.001μg/g未満の非常に低い濃度においてもカルキ臭の原因となることが分かった。

今回でも原材料だけではなく製造工程にも可能性があるとは考えられないでしょうか。



それと農薬の残留検査を行ってもジクロロフェノールが検出されることは、まずありません。

なぜならばジクロロフェノールは農薬の材料として使われますが、これ単体で農薬として使用されることはないからです。

Posted by 安儀製餡所 at 22:22 あんこ豆知識コメント(0)


まだ梅の花には少し早いのですが、早春にはつきもの 鶯(うぐいす)餅 について少し書いてみたいと思います。

face01 一般的な鶯餅

一般的に鶯餅(うぐいすもち)は、こし餡を求肥などで包み、丸く包んだものを楕円形にし、左右に引っ張りうぐいすの形にし、うぐいす粉(緑色に着色したきな粉)をまぶして仕上げることが多い。

したがって、花札にある緑色をした鳥(鶯?)の色に近い、早春を感じさせる和菓子が鶯餅です。

face01 鶯餅の由来

天正年間(1580年代)の頃、大和郡山(現在の奈良県大和郡山市)の郡山城の城主であった豊臣秀長が兄の豊臣秀吉を招いた茶会を開く際に「珍菓を造れ」と命じ、御用菓子司であった菊屋治兵衛が粒餡を餅で包み、きな粉をまぶした餅菓子を献上しました。

秀吉はその餅を大いに気に入り「以来この餅を鶯餅と名付けよ」と菓銘を下賜した。
一説には全国の鶯餅の原型とも言われています。(以下は菊屋HPより参照)

現代では非常に親しみやすく手軽に買える和菓子ですが、誕生当時はなかなか由緒ある和菓子だったようです。

face01 御城の口餅

時代を経てこの餅は「御城の口餅」と通称がつけられるようになりました。

これは菊屋がお城の大門を出て町人街の1軒目にあたることから、いつしか「御城の口餅」(お城の入り口で売っているお餅)と通称が付けられ今日に至りました。



現代ではもち粉から求肥を作り、うぐいす粉をまぶすのが一般的となっているが、本家菊屋では餅米から餅をついて作り、きな粉は青大豆を使用しているということです。

face01 鶯は何色か?あるいは花札の鳥はメジロなのか!

hana3 鶯とメジロの混同

 鶯



 メジロ

上の写真を見た限りでは花札の緑色の鳥はメジロのようです。(以下ウィキペディアより)

メジロは梅の花蜜に目がなく、早春には梅の花を求めて集まってくる。また比較的警戒心が緩く、姿を観察しやすい。

いっぽう、梅が咲く頃によく通る声でさえずりはじめる鶯は警戒心がとても強く、声は聞こえど姿は見せず、薮の中からめったに出てこない。

また鶯は主に虫や木の実などを食べ、花蜜を吸うことはめったにない。

両種ともに春を告げる鳥として親しまれていたこともあってか、時期的・場所的に重なる両種は古くから混同されがちであった。

古来絵画にある「梅に鶯」の主題を見ても、「梅にメジロ」を描いてしまっている日本画家も多い。


まあ、このことから、花札に書かれている「緑色の鳥」は、メジロだと言ってもよいでしょう。

それでは、鶯餅の色は間違いで、言い換えるとあれは 「メジロ餅」 とでもよぶべきものなのでしょうか?


hana3 鶯色とは

鶯色というとメジロの体色のような鮮やかな色を連想する人も多いのですが、JIS慣用色名に定められている鶯色は茶と黒のまざったような緑色をしています。

この色を鶯茶(うぐいすちゃ)ともいう。実際の鶯の体色は茶褐色であり、JISの鶯色は、鶯の羽を忠実に取材した色です。

また江戸時代中期には茶色味がかった鶯茶が女性の普段着の色として大流行したため、当時「鶯色」といえばこちらの色を指します。

icon06 鶯茶はこのような色である。



icon06 現在一般にイメージされる鶯色はこのような色である。





hana3  青大豆

 ここで注目すべきは、青大豆です。

青大豆は、普通の大豆と比べて、極端に生産量は少なく、したがって値段も非常に高価です。(尤も最近は海外から代替品となる豆も輸入されているとも聞いていますが。)

泉州では 青大豆 と言えば、くるみあん の材料として有名です。が、一般的には鶯餅用のきな粉の材料として知られています。

さて青大豆を使ったきな粉ですが、けっして、メジロのような色になるわけではありません。

私も 青大豆を使用しているという 鶯餅をいくつか食してみましたが、色的には普通の大豆(黄大豆)を使ったものとさほど変わりません。

hana3 青大豆で作ったきな粉が青くない理由

その理由は、青大豆と言っても、枝豆のように豆の中まで青色をしている訳ではないからです。

青大豆より一般的である黒大豆を考えてみてください。

黒大豆は表面(皮)は真っ黒ですが、中の色は灰色のような色です。

黒大豆と同様に青大豆も豆の表面(皮)は青いのですが、中の色は黄大豆とあまり変わりません。

よって、きな粉に加工した場合、あまり普通のきな粉と色は変わりません。

言い換えると、現在良く使われている鶯粉ほど鮮やかな色でない青大豆を使ったきな粉こそが鶯の色に近いと言えなくもありません。

以下は私の推論です。

 最初は鶯餅は青大豆のきな粉を使い、本来の鶯に近い色になっていた。

しかし、世間では花札にある緑色の鳥(メジロ)は春の新緑を感じさせ、これを鶯と呼ぶようになってきた。

一方青大豆はあまりにも高価であり、無理をしてこれを使うより安価で世間が鶯に持っているイメージの色に近い、うぐいす粉(緑色に着色したきな粉)を使った鶯餅になった。

このようなところではないでしょうか?

face01 鶯あん

最後に「鶯あん」について少し書いてみたいと思います。

私の知っている鶯あんは青えんどうを原料にしたあんで、つぶあんにして田舎饅頭にしたり、泉州ではこしあんにして村雨を作ったりします。

また、東北では青えんどうをもどして皮をむき、砂糖で甘く煮たものを「富貴豆」と呼び、これを使ったあんを富貴餡と呼びます。
一説によると、豆を蒸かすから「ふき豆」と呼ばれていたのを、縁起がよいから、と「富貴」という文字があてられるようになったのだそうです。






Posted by 安儀製餡所 at 19:19 あんこ豆知識コメント(1)
さて、和菓子好きにはお馴染みの グレーテルのかまど で 水ようかん が採り上げられていました。

番組のHPで次のように紹介されています。

向田邦子がこよなく愛した夏の風物、水ようかん。
エッセー『水羊羹』は彼女独特の視点からその魅力を語った小気味よい小品。
その文章を手がかりに、妹和子さんへのインタビューや、水羊羹専用のお皿、お気に入りの味、食す作法などを紹介。水羊羹的なものを慈しんだ彼女の生き方や美学をひもといていく。
「水ようかんの旬は冬」といいはる土地にも小旅行!いったいどこ?!
昨夏、開発番組として放送したものを、24分版に再編集してお届けします。


向田邦子といえば、私などはTVがお茶の間の主役であった昭和の時代が思い起こされます。

詳しくはこの番組のHPを読んでもらえばよいのですが、この中で興味深かったのは、以前に書いた 小豆ペーストではないご家庭での正しい生餡の作りかた を紹介していたこと。(結構面倒臭い)

もう一つは、水ようかんに合う音楽として『ミリー・ヴァーノン』(Millie Vernon)というジャズ シンガーを紹介していたことです。
ミリー・ヴァーノンというのは、向田邦子の読者にはよく知られているのですが、恥ずかしながら今回私は初めて聞きました。

私のような凡人ですと、水ようかんに合う音楽と言えば、中川イサトさんやゴン・チチのようなアコースティック・ギターのインストロメンタルを思い浮かべるのですが、このように渋いジャズ ヴォーカルを持ってくるのが才能の違いというものでしょう。




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Posted by 安儀製餡所 at 18:48 あんこ豆知識コメント(0)

与謝野晶子とその実家

2012年07月11日
 先日、私の子供に「学校で 与謝野晶子の実家が、堺で駿河屋という和菓子屋さんだったと習ったが、和歌山にある駿河

屋さんと関係があるのか?」 と聞かれて恥ずかしながら、はっきりと答えることができませんでした。

そこで、その後調べたことを書いてみます。

face01 与謝野晶子





与謝野 晶子(正字: 與謝野 晶子、よさの あきこ、1878年(明治11年)12月7日 - 1942年(昭和17年)5月29日)は、日本の歌人、作家、思想家。

本名与謝野 志よう(よさの しょう)。旧姓鳳(ほう)。ペンネームの「晶子」の「晶」は、本名の「しょう」から取った。夫は与謝野鉄幹(与謝野寛)。

鳳志ようは、堺県堺区甲斐町西1丁(現在の大阪府堺市堺区甲斐町西1丁)で老舗和菓子屋「駿河屋」を営む、父・鳳宗七、母・津祢の三女として生まれた。実の兄にはのちに電気工学者となる鳳秀太郎がいた。9歳で漢学塾に入り、琴・三味線も習った。堺市立堺女学校(現・大阪府立泉陽高等学校)に入学すると『源氏物語』などを読み始め古典に親しんだ。また兄の影響を受け、「十二、三のころから、『柵草紙』(後には『めざまし草』)[1]『文学界』や紅葉、露伴、一葉などの小説を読むのが一番の楽しみ」(『明星』1906年年5月)であった。

20歳ごろより店番をしつつ和歌を投稿するようになる。浪華青年文学会に参加の後、1900年(明治33年)、浜寺公園の旅館で行なわれた歌会で歌人・与謝野鉄幹と不倫の関係になり、鉄幹が創立した新詩社の機関誌『明星』に短歌を発表。翌年家を出て東京に移り、女性の官能をおおらかに謳う処女歌集『みだれ髪』を刊行し、浪漫派の歌人としてのスタイルを確立した。のちに鉄幹と結婚、子供を12人出産している(うち1人は生後2日で亡くなる)。

face01 駿河屋 系統図

丁度、総本家駿河屋(和歌山)さんの出している 「駿河屋 系統図」が手に入りました。

それによると、与謝野 晶子 旧姓鳳(ほう)の実家である堺 駿河屋 は、


① 総本家駿河屋13代の時に 大阪 駿河屋が分家となります。

② 次に、大阪 駿河屋の2代の時に暖簾分けで 鳳 惣七を初代として堺 駿河屋が創業されました。

③ 堺 駿河屋は鳳 惣七(初代)-宗七(二代)―宗七(三代)-久夫(四代)と続き、現在は途絶えているようです。

したがって、二代か三代が与謝野 晶子の父となります。

今から思えば、与謝野 晶子が店番をしていたというのは、なかなかすごいですし、与謝野 晶子が好んだ和菓子など興味深いですね。


Posted by 安儀製餡所 at 21:40 あんこ豆知識コメント(0)
先日TVで「わかさいも本舗」さんの「わかさいも」について放送していました。

その中で、あんこの原料となる『大福豆(おおふくまめ)』について紹介されていましたので、此処でも少し触れたいと思います。

TVでは「だいふくまめ」と呼んでいましたが、「おおふくまめ」が正しい呼び方です。まあ、相変わらずTVとはいい加減なものです。

face01 大福豆とは

 大福豆は種皮だけでなく、へその部分までが真っ白な腎臓形の美しい豆です。

斗六豆(とうろくまめ)、十六寸豆(とろくすんまめ)などと呼ばれることもありますが、これは豆を長径方向に10粒並べると、ちょうど6寸(18.2cm)になるからだといわれています。



大福豆と小豆 (大きさの比較)



また、一口に大福豆と言っても、「大福」、「洞爺大福」などの品種があります。ただし、21年度作付面積(道農産振興課調べ)は「洞爺大福」が100%です。

蔓性(つるせい)で支柱が必要など栽培に手間がかかり、価格も高めなので、北海道では、虎豆、白花豆などとともに、高級菜豆(こうきゅうさいとう)と呼ばれています。

 食味が良く白色という特徴を活かし、甘納豆、煮豆、和菓子などの原料及び家庭用として使われます。


とりわけ、甘納豆の需要が多く、全体の4割位を占めます。家庭用としては正月の豆きんとんなどに使われ、この食習慣は九州、中京、関西地方で根強いものがあります。
 

日本では北海道を中心につくられています。なかでも胆振(いぶり)地方で最も多く生産され、全体の50%以上にものぼります。続いて北見地方が多く、この2つの地域で全国の栽培面積のほとんどを占めています。




胆振地方


Copyrights:(c) 2005 (財)日本豆類基金協会 All Rights Reserved. より

face01 さて、弊社でも大福豆を使った餡を製造・販売しています。

日本豆類基金協会 の説明にありますように こしあん として使う場合、色も白く味もよいのですが価格的に他の白豆
に比べて高いため単独で使うだけでなく、他の白豆とブレンドする場合もあります。

Posted by 安儀製餡所 at 15:04 あんこ豆知識コメント(0)

柏餅(かしわもち)

2012年04月08日
icon06 さて、桜の季節も過ぎ、いよいよ風薫五月ということになれば、 『柏餅』 の季節です。



face01 柏餅とは

柏餅は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんでカシワ(注:下記face01 柏餅の葉 参照)又はサルトリイバラの葉などで包んだ和菓子である。餡の種類は、つぶあん、こしあんのほか、みそあんがポピュラーである。(ウィキペディアより)

ということですが、泉州では一般的に柏餅といえば 『こしあん』 です。

また、よもぎ生地の柏餅には 『つぶあん』 が使われていることが多いようです。



 『みそあん』 に至っては食べたこともありません。

みそあんは砂糖利用以前の古い調理法の名残で、原型を平安時代の「葩餅(はなびらもち)」にまでたどることができるとも云われています。

柏餅を包む、柏葉の表を内側に包むのは、あんの柏餅で、葉の表を外側に包むのはみそとする区別が多いですが、みそあんの柏餅と見分けがつくように生地がピンク色になっている場合が多いようです。


 無料イラスト/素材のデザインバンク

「中部・九州など味噌餡が存在しない地域もある。」とありますが、近畿地方でも京都以外では見かけないように思うのですが。


face01  柏餅の由来

5月5日の端午の節句の供物として用いられる。カシワの葉(注:下記face01 柏餅の葉 参照)は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされる。

元々は東日本の文化の中で育まれたものであり、柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重(在位1745年~1760年)十代将軍家治(在位1760年~1786年)のころ。参勤交代で全国に行き渡ったとされている。(ウィキペディアより)

このあたりのことは歌舞伎座メールマガジン江戸食文化紀行
http://www.kabuki-za.com/syoku/bkindex.html
 NO.35 、 NO.60 に詳しく説明されています。

享保の改革と寛政の改革という厳しい時代の間、田沼意次の文化に対する締め付けの緩い時代に生まれたのは偶然ではないような気がします。

寛政の改革の頃は  高橋 克彦著 『だましゑ歌麿 』 では、幕府から和菓子屋に対しても随分厳しい締め付けがあったように書かれていました。

face01 柏餅の葉

『かしわ」は古くは、食物を包んだり、覆ったりした植物の葉の総称で、「炊葉(かしぎば)」の転じた語ではないかと言われています。

「柏」の字は本来はヒノキ科の針葉樹コノテガシワを指す漢字で、コノテガシワは柏餅に使う葉とは全く異なる。柏餅に用いるブナ科のカシワには、厳密には「槲」の字を使うのが正しい。

 コノテガシワ

 ブナ科カシワ

四国地方などの近畿圏以西では、カシワの木が自生しておらず、元々端午の節句にはちまきを用いるため、サルトリイバラ科(サンキライ)の葉を代用して作られることが多い。地方により名称が異なる場合もある。

一般に包んでいる葉は食べない。(ウィキペディアより)


face01 上新粉とは

それでは、柏餅の生地に使われている 上新粉 とは、どうゆうものでしょうが?

上新粉(上糝粉、じょうしんこ)は、うるち米 を加工した粉である。元々の表記は上糝粉。

精白した うるち米 を洗って乾燥させた後、少量の水を加えて製粉してふるいわけしたもので、主に製菓材料として使用する。非加熱の材料であり、製品にするには加熱の過程が必要となる。

目の粗いものを 新粉(糝粉、しんこ)・並新粉(並糝粉)、細かいものを 上新粉(上糝)粉、更に細かいものを 上用粉(じょうようこ)という。用途は以下の通り。

 新粉  団子・すあま等

  上新粉 団子・柏餅・ういろう等

☆ 上用粉 薯蕷饅頭に配合。薯蕷粉(じょうよこ)とも云う(ウィキペディアより)

 団子


 ういろう

face01 最近の柏餅

 二つ折りではなく、生地の中に餡を包んでいます。

 昔は生地には上新粉のみを使っていたようですが、近年はこれに白玉粉を加えるのが、一般的なようです。

face01 白玉粉とは

もち米 を水洗後、水に浸してから水切りし、水を加えながら挽く。その乳液をふるいにかけ、沈殿したものを圧搾脱水し、天日乾燥させたもの。白玉団子などの材料に用いられる。粉の粒子が小さいので、出来上がった白玉はつるりとした食感となる。(ウィキペディアより)

face01 白玉粉を混ぜる効果

白玉粉を混ぜることによって、従来の上新粉が持っている歯ごたえの強さに粘りが加わった生地ができるといえます。



face01 上新粉や白玉粉などの米粉についてはいずれまた書いてみたいと思います。

Posted by 安儀製餡所 at 23:23 あんこ豆知識コメント(0)

道明寺粉

2012年03月24日
face01 道明寺粉

それでは、そもそも桜餅に使われている道明寺粉とはなんでしょうか?【以下、つれづれ化学草子(http://chem-sai.web.infoseek.co.jp/sosi_kareii.htm)を参考】

 桜餅 道明寺

 hana3 道明寺粉とは

和菓子の材料として用いられる道明寺粉は、道明寺(大阪府藤井寺市)の尼が乾燥した糯米(以後 糒『ほしい』と呼ぶ)を挽き、粉状にしたのが始まりという。主に桜餅などの和菓子の材料とする。河内は良質の「糒」の生産地として知られていました。

 道明寺粉

 それでは糒(ほしい)とはどういうものでしょう。?


face01 糒(ほしい)

 hana3 在原業平

 在原業平

まず皆さんが糒(ほしい)と聞いて最初に思い出すのが、伊勢物語の「東下り」の段で在原業平が糒の上に涙をこぼしてふやけてしまうという場面だと思います。

 hana3 米を備えておくので「糒」

糒とは、今で言うところの、携帯用のインスタント食品で 炊いた糯米(もちごめ)を蒸して日に干したもの、水や熱湯を注いでやわらかくして食べ、軍糧あるいは旅の携行食として重用されました。鎌倉時代よりは「糒」の漢字が使われるようになりましたが、それ以前には 「乾飯(かれいい)、干し飯」(ほしめし・ほしいい)」 とも呼ばれていました。もっとも「乾飯」も「ほしいい」と読むことができたのですが、鎌倉時代の頃にはすでに「糒」に変わっていたようです。

 乾飯の表記は、日本書紀の「可美乾飯根命(うましからひねのみこと)」や出雲風土記にも見られ、神代から携帯食とされていたことがわかります。 乾飯(かれいい)の読みが古代からあったらしいことは日本書紀の記述からも明らかですが、米を備えておくという意でしょうか、次第に「糒」(ほしいい)と表記されることが多くなってきます。

古くは炊き過ぎた米を保存するためにも利用されました。また、米以外にも粟や黍の糒も存在していました。


 hana3 兵糧としての糒

乾燥させてあるので軽く、雑菌も繁殖しにくい上、水を加えさえすればすぐに柔らかくなるのですから、旅先の携行食料品としてとても便利なものでした。さて、便利な携帯食品である乾飯は、合戦に備えて調達される兵糧としても用立てられ、兵糧といえばもっぱらこの糒のことを意味しました。

戦場におもむく兵士にとって飯の炊き上げは、敵にその存在を知らせるようなもの。また、あらかじめ炊いて乾燥させた飯は軽く、餅のようにカビることもないので、移動しながらの戦に必要不可欠な携行品でした。

戦況不利でいよいよ籠城となれば、大量の糒が城内に運び込まれたといいます。攻撃する側としては、城内の兵糧が底をつくまで気長に待つ、いわゆる兵糧攻めが行われたわけです。

 さて、戦時下では重宝された「糒」も戦国時代が終わって天下泰平の江戸時代となると、兵糧用の使い道がなくなり、菓子などに転用されるようになります。

これ以後の多彩な和菓子文化は兵糧の払い下げとその活用から生まれたものと考えられるわけです。

 hana3 糒の現在

 戦前までは、家庭でも残った白飯をむだにしないために、乾燥させてとっておき、炒り揚げてあられなどにするということが普通に行われており、糒の歴史は米食の歴史そのものに重ね合わせて考えることができます。

しかし、重宝がられてきた糒も食料の安定供給が図られた現在では次第に食べられなくなり、、桜餅などの和菓子
や、「おこし」などのお菓子の材料として、今に至っています。


face01 桜餅 道明寺派 の歴史

 hana3 桜餅 道明寺派の起源

次にそれでは、上方では桜餅に道明寺粉を使ったことに何か必然性があったのか?考えてみたいと思います。

上方で道明寺粉を使って桜餅を作るようになった起源は次のように言われています。

道明寺(どうみょうじ)は、道明寺粉を用い、桜の葉で包む桜餅。京菓子にも見られ京風桜餅ともいう。

享保二年(1717年)から、評判を博していた江戸の長命寺にならい、平安時代に存在した椿餅(つばいもちひ、つばきもち)という餅菓子の特徴を取り入れて作られた物のようである。大坂では北堀江の土佐屋に天保の頃(1830年から1843年までの期間)に現れたという。

 桜餅 長命寺


 hana3 椿餅(つばいもちひ、つばきもち)

椿餅(つばいもちひ、つばきもち)は平安時代に、軽食代わりとして食べられた餅菓子で次のように説明されています。

平安時代の菓子は唐菓子と言って中国伝来の揚菓子がほとんどだが、桜餅のように団子を植物の葉で挟む形式などが珍しく、この椿餅は日本独自のものでないかと言う見解もあるが定かではない。その説に従うなら、これが和菓子の起源である。

『河海抄』*(かかいしょう)の記述によれば、「もち米を乾燥させて臼でひいて作った餅粉(現在の道明寺粉)を甘葛の汁(甘葛煎(あまずらせん)で練って団子のようにし、椿の葉で包んだもの。」とある。

現代の菓子のように日常的な間食に用いる物ではなく、貴族の館で大規模な蹴鞠の会が催されたときに参加者に配られていた。

*河海抄(かかいしょう)

四辻善成著の全20巻20冊からなる[1]源氏物語の注釈書である。もともとは貞治年間(1362年から1367年まで)の初めの頃に室町幕府第二代将軍足利義詮の命令によって作成し献上したとされたものであり、宮中での源氏物語の講義の内容をまとめたものとされる。現在写本などの形で見られる「河海抄」はその後も四辻善成が長年に渡って考察を書き加えていったものと考えられている。また四辻善成は、後年に本書の秘説32項目を別冊化した『珊瑚秘抄』を作成している。

(ウィキペディアより)

 hana3 現代の椿餅

現在、椿餅は1月~2月頃、和菓子店の店頭に並ぶことが多いようです。甘味料が甘葛煎(あまずらせん)から砂糖に替わり、餅の中に餡が入るようになり、今に伝えられています。

極端に言えば、これに生地を桜色に着色し、包んでいるものを椿から桜の葉に換えれば 桜餅 道明寺 になります。

なお、桜餅の作りかたは次の通りです。

材料は塩漬けの桜の葉、道明寺粉、小豆の餡。葉の塩は水で抜く。水を吸わせた道明寺粉を蒸し上げる。砂糖は蒸した後で混ぜるか、水に溶いて吸わせる。餅を平らに広げて餡を詰め形を整え、桜の葉で包む。色粉は粉か砂糖水と混ぜる。

 椿餅


face01 桜餅 と 柏餅、椿餅

さて桜餅と同様餡の入った餅を植物の葉で包んだ代表的な和菓子があります。

そう 柏餅 です。

柏餅(かしわもち)は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんで柏の葉などで包んだ和菓子です。


 柏餅

元々は東日本の文化の中で育まれたものであり、柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重(在位1745年~1760年)十代将軍家治(在位1760年~1786年)のころ。参勤交代で全国に行き渡ったとされています。

したがって年代順に言えば

① 桜餅 長命寺 1717年 

② 柏餅 1745年~1786年

③ 桜餅 道明寺 1830年~1843年

となります。

ここからはあくまでも私の推論です。

この順番からは影響としては、椿餅 ⇒ 桜餅 道明寺 とは言いきれず、椿餅 ⇒ 柏餅 ⇒ 桜餅 道明寺
とも考えられます。

つまり、まず最初、江戸で上方の椿餅の影響を受けて餅を柏の葉で包む「柏餅」を作られる。それから上方で江戸で評判の「桜餅」を作る際に「椿餅」、「柏餅」の特徴を取り入れた「桜餅 道明寺」が生まれた。

さて、前述したように戦国時代では重宝された「糒」も天下泰平の江戸時代となると、兵糧用の使い道がなくなり、菓子などに転用されるようになります。

これ以後の多彩な和菓子文化は兵糧の払い下げとその活用から生まれたわけですが、ここで、江戸と上方の政治、経済的な違いが関係していると考えられないでしょうか?


いくら天下泰平の江戸時代といっても江戸は武士中心の社会であり、当然有事に際しての備えが必要であり上方に比べて糒の需要が多かったと考えられないでしょうか?

逆に上方は、商人中心の社会であり、有事の備えとしての糒の需要はほとんど無くなり、江戸よりも菓子などに転用される度合いが多くなり多彩な和菓子文化が生まれた。

以上、あくまでも私の推論です。


 face01 道明寺

最後に 道明寺 そのものについて

大阪府藤井寺市にある真言宗御室派の尼寺で道明寺粉の由来にもなったという。
材料の寺。モチ米であんをくるんだ桜餅を「道明寺」、菓子用の糒を「道明寺糒」、粗く砕いた粉を「道明寺粉」と呼ぶのは、この寺の名に由来します。

道明寺周辺は、菅原道真 の祖先にあたる豪族、土師(はじ)氏の根拠地であった。道明寺は土師氏の氏寺土師寺として建立され、今の道明寺天満宮の前にあった。当時は七堂伽藍や五重塔のある大規模なものであった。

道明寺では、すでに平安初期、菅原道真の叔母覚寿尼(かくじゅに)によって菓子作りが始められていました。901年(延喜元年)、大宰府に左遷される道真がこの寺にいた叔母の覚寿尼を訪ね「鳴けばこそ別れも憂けれ鶏の音のなからん里の暁もかな」と詠み、別れを惜しんだと伝えられる。

(ウィキペディアより)

 道明寺

 菅原道真







Posted by 安儀製餡所 at 15:37 あんこ豆知識コメント(0)
手亡豆について の記事に写真を追加します。

Posted by 安儀製餡所 at 17:38 あんこ豆知識コメント(0)

桜餅

2012年03月19日

関西では奈良東大寺のお水取りが終わり、お彼岸が来て、春の選抜高校野球が始まると、いよい

よ春到来となります。

毎年、3月の終わりから4月第一週あたりが、桜の見頃です。

今ほど世知辛くなかった頃は、新入社員の最初の仕事は夜のお花見(宴会?)の場所取りでした。

そして、阪神競馬場でクラシックレース第一弾の『桜花賞』が行われる。最後は造幣局の通り抜けで幕を閉じる。

これが、関西のお花見シーズンの定番スケジュールでした。

この季節に切っても切れない和菓子、それが 桜餅 です。


face01 道明寺 と 長命寺

私たち関西人からすると 『桜餅』 と言えば、当然、道明寺の方なのですが、調べてみて初めて違う 『桜餅』 

があることを知りました。

ここでは、両者の違いを All About「電子辞書・辞書・事典」 、 ウィキペディア を参考にして簡単にまとめました。

hana3 関西風=道明寺(どうみょうじ)

道明寺粉(もち米を蒸して乾燥させ粗挽きしたもの。大阪の道明寺で作られたため道明寺粉という)で皮を作り餡を包んだ、

まんじゅう状のお餅。道明寺粉のつぶつぶした食感が特徴で、「道明寺」または「道明寺餅」と呼ばれています。関西ではこ

ちらが主流。




道明寺餅


hana3 関東風=長命寺(ちょうめいじ)

小麦粉などの生地を焼いた皮で餡を巻いた、クレープ状のお餅。享保2年(1717年)、隅田川沿い長命寺の門番・山本新六

が、桜の落葉掃除に悩まされて考案し売り出されたことから、「長命寺」または「長命寺餅」と呼ばれています。関東ではこち

らが主流。



長命寺餅



両者の違いを簡単にまとめれば下の表になります。



hana3 桜餅の葉を食べる、食べない

「長命寺」「道明寺」どちらにも共通するのが桜の葉の塩漬けで包んでいること。やわらかくて毛が少ない大島桜が主に使わ

れていて、9割以上が伊豆地方で生産されています。毎年収穫した葉を半年ほど塩漬けにしますが、塩漬けにすることでク

マリン(※)という芳香成分がうまれ、独特の風味を醸し出すのです


 http://sozai.maturika.net/cat6/post_90.html

大島桜

米印クマリンには肝毒性があるので多量に食べる場合はご注意ください。 


下の円グラフは「長命寺」「道明寺」それぞれで桜餅の葉を食べる、食べないを調査したものです。(All About「電子辞書・辞書・事典より
      



この結果から、 「道明寺」の桜餅の葉を食べる というのが、日本の多数派といえます。

ちなみに私は、「道明寺」桜餅の葉を食べない派です。

桜餅を包むことで桜の香りや塩気がついておいしくなるわけですが、葉の大きさに関西と関東の好みの違いがあり、関西で

は小さめのもの、関東では大きめのものが好まれているそうです。

face01 道明寺粉

それでは、なぜ関西では道明寺粉をわざわざ使うようになったのでしょうか?

次回は、この点について考えてみたいと思います。


Posted by 安儀製餡所 at 14:12 あんこ豆知識コメント(0)
お彼岸につきものの ’ぼたもち’ について


(c) .foto project



hana3 お彼岸 と 牡丹餅(おはぎ) との関係

なぜお彼岸におはぎをいただくようになったのでしょうか?これは江戸時代にさかのぼります。この時代に、お彼岸や四十九日の忌明けに食べる風習が定着したようです。


小豆の赤色には、災難が身に降りかからないようにするおまじないの効果があると信じられていて、古くから邪気を払う食べ物としての信仰が、先祖の供養と結びついたと言われています。



また仏教では、彼岸は、彼の岸として悟りの境地を言い、苦しみに満ちている此岸と対になる言葉として使われています。そこで彼岸中は仏道修行に励む訳ですが、日本では祖霊崇拝の慣習を合わさり、ぼたもちやおはぎを捧げ、先祖を慰め、自分自身の功徳を積んでいました。だから本当は、自分たちで食べるものではなかったのです。

暑さも寒さも彼岸まで」と言われるように、春の彼岸は農作業が始まる時期で、秋の彼岸は収穫の時期にあたります。よって、春には収穫をもたらす山の神などを迎えるためぼたもちを、秋には収穫を感謝しておはぎを作ったとも言われています。

hana3 ぼたもち と おはぎ 

現在では、おはぎ と ぼたもち は基本的に同じもので、違うのは食べる時期だけなのです。ですから、ぼたもちといってもあんこの中は お餅 ではありません。具体的には、もち米とお米を混ぜて炊き、すりこぎで 半つぶし(半殺し) にしたものです。

春の「ぼたもち」
夏の「夜船」
秋の「おはぎ」
冬の「北窓」

と季節によって呼び方が変わります。

現在は全く同じもので呼び方だけが違う両者ですが、以前は若干の違いがありました。両者の違いを簡単にまとめますと次のようになります。



hoshi2 季節

ぼたもちは、牡丹の季節、春のお彼岸に食べるものの事で、小豆の粒をその季節に咲く牡丹に見立てたものなのです。一方、おはぎは、萩の季節、秋のお彼岸に食べるものの事で、小豆の粒をその季節に咲く萩にに見立てたものなのです。

では、何故牡丹の方にだけ餅が付いたのでしょうか?その由来は、「倭漢三才図会」(江戸時代の百科事典)に「牡丹餅および萩の花は形、色をもってこれを名づく」とあり、牡丹餅がぼたもちになり、萩を丁寧に言っておはぎになったというのが、最も一般的な説ということですが、この説明ではいまひとつよくわかりません。私の推論ですが、むかしは牡丹の季節、春のお彼岸に食べる時は、お米を 全殺し 、いわゆる お餅 にしていたのではないでしょうか?

hoshi2 おはぎ と ぼたもち の大きさ、形 

ぼたもちは、牡丹の花をかたどって丸く大きく豪華に作って、おはぎは、秋の七草の萩の赤紫の花をかたどって小ぶりで長めに丸められて作られたと言われています。



牡丹


hoshi2 おはぎ と ぼたもち のあんこ 

昔は、つぶあん か こしあん かは、あんの材料である小豆の収穫時期に関係があったのです

秋のお彼岸は、小豆の収穫期とほぼ同じで、とれたての柔らかい小豆をあんにすることができます。柔らかい皮も一緒につぶして使うので、つぶあんができます。
春のお彼岸は、冬を越した小豆を使うことになりますが、皮は固くなっています。当然固くなった皮をそのままに使っては食感が悪くなります。そこで皮を取り除いた小豆を使い、こしあんができます

よって春のぼたもちは こしあん で、秋のおはぎは つぶあん だったのです。しかし、今では保存技術の発達や品種改良により、春でも皮のまま使うことができる小豆が登場してしまい、この理由は意味がなくなってしまったのです。

hoshi2 半殺し と 全殺し

日本昔話や落語の枕で有名な 半殺し と 全殺し ですが、一般的にはお米のつき方のことです。ついた米の粒が残っているものを半殺し、完全にもちの状態までついたものを全殺しと呼びます。現在のおはぎ(ぼたもち)のお米は ’半殺し’ です。

しかし、完全にもちの状態までついたもの(全殺し)をぼたもち、ついた米の粒が残っているものを(半殺し)をおはぎと呼ぶ地域もあります。

ここに、ぼた餅という由来があるのではないでしょうか。つまり小豆と同様、秋のお彼岸は、米の収穫期とほぼ同じで、とれたての柔らかい米を半殺しにすることができます。

春のお彼岸は、冬を越した米を使うことになりますが、米は固くなっています。当然固くなった米を半殺しで使っては食感が悪くなります。そこで全殺し(餅)にしたのです。よって春は ぼたもち(餅) と呼ばれたと考えられませんか?


これも小豆同様、今では保存技術の発達や品種改良により、春でも半殺しで使うことができる米が登場してしまい、この理由は意味がなくなってしまったと考えられます。

また、一部の地域では、つぶあんを半殺し、こしあんを全殺し、本殺しまたは皆殺し、と呼ぶところもあるそうです。

hoshi2夏の「夜船」 と 冬の「北窓」

water夏のおはぎは「夜船」

おはぎ(名前がたくさんあって呼びにくいので、一般的にはおはぎと呼ぶことにします。)は、お餅と違い、餅つきをしません。よって杵でつかないので、「ペッタン、ペンタン!」と音がしないのです。

ということで、ペッタンペッタン音がしないので、お隣さんなどからするといつついたのか分からない。そういうところから、

→ 搗(つ)き知らず → 着き知らず、となり

夜は船がいつ着いたのか分からないことから「夜船」となったようです

water冬のおはぎは「北窓」

おはぎは餅つきと違い、杵でつかないのでペッタンペッタンと音がしない。だから、いつついたのか分からない、までは同じです。ここからの変化が違います。漢字に注目です。


 → 搗(つ)き知らず → 月知らず、となり

月の見えないのは、北の窓なことから「北窓」となったとのことです。

なかなか洒落ていますね。

*参考:All About「電子辞書・辞書・事典」旧ガイド

Posted by 安儀製餡所 at 00:33 あんこ豆知識コメント(0)

小豆の花

2012年03月04日
icon06 小豆の花を ご覧になったことがあるでしょうか?かくゆう私も実物は見たことはありません。





小豆は、7月末~9月にかけての40日間ほど優雅な花をつけます。 開花は早朝3時ころに始まって、陽が昇るころ満開とな

ります。

小豆の花が丘一面を埋めつくした風景はとても美しく雄大で、北海道らしい風景の一つです。

 しかし、一つの花の開花時間は短く、午前中で開花は終わり、 花はしぼみ、翌日には咲いた順に枯れていきます。

早く咲いた花ほど結実率は高く、 最後に近く咲いた花のほとんどは開花後、実を結ぶことなく落花していきます。

ふつう、小豆1株には30~40のサヤがつきます。 そのサヤには6~9粒の小豆が入っります。

 




 一度は現地に行って実物を見たいものです。

Posted by 安儀製餡所 at 07:44 あんこ豆知識コメント(0)

特別栽培小豆について

2012年03月03日
今回はHP でも紹介されている特別栽培小豆について説明します。




 



が、その前に有機栽培について少しふれておきます。

hana3特別栽培小豆の歴史

実は平成13年4月1日まで「有機小豆」と呼ばれる小豆が存在したのです。

JAS法によって平成13年4月1日から有機栽培に対する明確な基準が設けられるようになるまで、市場には 「有機~~」という農産物が氾濫していました。それらは玉石混合で現在でも有機栽培として通用するものから、化学肥料の代わりに数回
有機肥料を与えたもの、酷いものになると全く慣行農法通りのものもありました。

そのような状況の中、平成13年4月1日JAS法によって「有機栽培」は以下のように定義されたのです。


● 有機栽培

 「有機低農薬栽培」「有機減農薬栽培」などという紛らわしい表示が氾濫したので、JAS法によって平成13年4月1日から「有機」や「オーガニック」と表示するには、検査を受けて合格したものに限られるようになりました。JASマークが付いていないものには、「有機農産物」、「有機栽培」、「有機○○」等の表示をしてはならないのです。JAS法で有機農産物とは、「化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、播種又は植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)の間、堆肥等による土づくりを行ったほ場において生産された農産物」と規定されています

このJAS法に適合する小豆が存在しなかったため 「有機小豆」 と表示された小豆はなくなりました。

小豆が適合しなかった理由は以下の通りです。

Ⅰ 小豆は連作(同一の圃場で同一の作物を繰り返し栽培すること)が難しく、前年に栽培した別の農作物まで有機栽培で行はなければならなくなる。そこまで徹底することは経営的に難しい。

Ⅱ 100%無農薬で栽培するのは圃場に広さから害虫被害の危険が大きく難しい。

その結果、それまで「有機小豆」と表示されていたものは、無化学肥料栽培小豆、減農薬栽培小豆、減化学肥料栽培小豆
と表示されるようになりました。

その後、平成16年4月から「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が施行され、適合するものは特別栽培小豆と表示されるようになりました。

表示ガイドラインでは特別栽培農産物は、以下のように定義されています。

●特別栽培農産物  略称:特栽

 平成16年4月から「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が施行されました。以前は、無農薬栽培農産物、無化学肥料栽培農産物、減農薬栽培農産物、減化学肥料栽培農産物と設定されていたのを、一括りの名称「特別栽培農産物」に変更されます。ガイドライン表示の対象となる農産物は、化学合成農薬、化学肥料双方を慣行の5割以上減らして栽培された農産物となります。「無農薬」、「無化学肥料」、「減農薬」、「減化学肥料」の表示は、改正後は表示できないことになりますが、ガイドラインには罰則がありません。

対象農産物は国産・輸入を問わず、野菜、果実、穀類、豆類、茶等であり、米については特に特別栽培米と呼ばれる。なお、減ずる対象となる化学合成農薬からは有機農産物JAS規格で認められている農薬(例:フェロモン剤等)は除かれている。

●有機栽培と特別栽培の違いは以下の通りです。 


 有機農産物が播種前2年以上及び栽培期間中に対象となる農薬・化学肥料を使用しなかった農産物のことであり、これに対して特別栽培農産物は栽培期間中に対象となる農薬や化学肥料を減じて生産されたものをいいます。また、播種前についての条件も存在しません。

なお、栽培期間中に対象となる農薬を一切使用しなかった(播種前の制限は無い)農産物は、「特別栽培農産物(節減対象農薬:栽培期間中不使用)」と呼ばれます。

当該農産物の生産過程等における節減対象農薬の使用回数が、慣行レベル(※注)の5割以下
当該農産物の生産過程等において使用される化学肥料の窒素成分量が、慣行レベル(※注)の5割以下

※注:慣行レベルは都道府県によって定められている。



hana3特別栽培小豆と他の北海道産小豆の実態

●栽培方法別による特別栽培小豆の分類

特別栽培小豆の中でも 「ホクレン」 より販売されているものは 「クリーン100」、「クリーン80」という商標で販売されています。これらの特徴は、生産過程等において使用される化学肥料の窒素成分量が0、あるいは慣行レベルの2割ということです。「クリーン100」は十勝地方、「クリーン80」は、旭川地方を中心に栽培されています。

 以下の図は栽培方法別による特別栽培小豆の分類をまとめたものです。






以下のグラフは北海道産小豆のうち特別栽培小豆と慣行農法により栽培されている小豆の生産量の内訳です。(H.22べース、ただし公式な統計は存在しないので推定です)

ご覧のように特別栽培小豆は北海道産小豆の生産量のわずか1%しかありません。





以下のグラフは特別栽培小豆のそれぞれの生産量の内訳です。(H.22べース、ただし公式な統計は存在しないので推定です)






hana3特別栽培小豆の長所と問題点

●長所

Ⅰ 現在市場に出回っている小豆の中でもっとも 安全・安心な小豆と言える。つまり流通経路の追跡が可能であり、また下の写真にあるように栽培の過程が明確に表示されて一目でわかるようになっています。

Ⅱ 次に最も重要な’味’についてですが、これは個人の主観が入るので一概には言えないのですが、私個人としては特別栽培の方が勝っていると思っています。弊社でもこれまでお客さまに何人も食べ比べていただいてきましたが、必ず特別栽培小豆の方を選ばれました。






●問題点

Ⅰ 栽培に手間がかかるため、価格が他の小豆よりも高い。二等小豆(※注)に対し特栽のプレミア価格として3,000~ 5,000円/60kg上乗せされている。

※注:一般的に市場で取引されている小豆の中で最高級の小豆

Ⅱ 農作物であるため、その年の天候その他の自然条件によっては、化学肥料あるいは農薬を特別栽培のガイドラインより多く投入しなければならない場合がある。その場合、特別栽培の表示はできない。

Ⅲ 現在のところ、科学的に慣行農法によって栽培された小豆との明確な優位性を示すことはできない。

Ⅳ 生産量が小豆全体の1%程度であり、供給能力に不安が残る。


hana3まとめ


上記で示したように現状の特別栽培小豆には問題点がたくさんあります。

特に一番多いのは「高い値段を払うだけの価値があるのか?」という点です。「特別栽培小豆が慣行農法の小豆に対し科学的に優れている点を示してくれ!」というお客さまもいらっしゃいます。今のところその質問に対する明確な答えは用意できていません。

 「高い価格に見合うだけの価値はない!」と判断される方、あるいは「有機栽培」ではなく「特別栽培」などという分かり難い表示では意味がないというお客さまがいらっしゃるのも事実です。

一方、自らの舌で判断して「やっぱりこの豆で作った あんこ はおいしい!」とおっしゃるお客さまがたくさんいらっしゃるることも事実です。

私としては、価格さえ折り合うのであれば流通経路の追跡が可能であり、栽培の過程が明確に表示されている特別栽培小豆は現行最も安全・安心な小豆であり、その味も含めてお客様に味わっていただきたいと考えています。




















Posted by 安儀製餡所 at 18:19 あんこ豆知識コメント(0)

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