さまざまに工夫され種類が豊富な羊かんのなかでも、「夜の梅」は味わいのよさで知られる。命名の由来を想像できるだろうか。切り口に丸い小豆粒の断面がいくつか見え、それが闇夜に咲く梅花を思わせるところからだという。
以前、この連載で京都の「みなづき」をとりあげ、菓子が氷に見立てられることを書いた。同じように「夜の梅」も、初春の経験にかたちをあたえたかしである。
小豆と砂糖、そして寒天だけからつくられる菓子。素材の黒さを夜に、わずかに色の異なる小豆を花に。微妙な色あいの差を区別できる感度。闇夜を知る先人たちは、それをもっていた。
伏見と和歌山の駿河屋。京で創業し、明治維新で東京にも進出いた老舗・虎屋。大阪で親しまれる鶴屋八幡。つくり手はちがっても、「夜の梅」は関西でなじみ深い菓子だ。電光をあびない夜の花をめでる習慣も、たもっておきたい。
現行の表示法では、餡は加工食品であっても原産地表示を義務付けられている。だが不思議なことに、「砂糖を加えた餡」は表示対象外となるのである。
要するに、私たちが和菓子やアンパンで口にしている甘い餡は、中国産であっても判別不可能。ときおり親切に「国産」と表示してある商品があるので、そうしたものを選びたい。
ときおり親切に「国産」と表示してある商品があるので、そうしたものを選びたい。
あんこに対する大いなる論争
論争、これはあんこに対する論争です。
あんこ(あるいは餡)については日本に住んでいる西洋圏の人達の間でも意見が分かれています。
これは甘く煮た小豆で、アジアでは広く使われています。
強烈に嫌われていることがほとんどで、私のようにあんこが好きなのは少数派に分類されているでしょうか。
意見の相違は過剰な言葉に変えられ、未だ翻ったことはありませんがキリンラガーやあんこなどはいずれそうなるかもしれません。
私にはそうなるだろうという考えがあります。
ここに私に起きたことを紹介しましょう。
初めて訪れた外国人にとって日本は最初のうちは戸惑いを感じる場所です。
人々は親切ではありますが、自分の見知った行動をとることはなくストレートな答えを得ることはしばし困難です。
物事があまりに手に負えなくなった時、人は馴染みのあるもので心を慰めようとするものです。
それこそが私の知っている外国人の多くがドーナツや菓子を買いに行く理由な訳です。
ドーナツは故郷のものにそっくり…チョコレートやバニラクリームがかかってて…しかし、彼女達がそれを一口食べた時そこには甘い何かが入っていたのです。
これは彼女たちを気落ちさせ、最後の一撃となってしまいます。
哀れ、あんこは取り除かれてしまうのです。
あんこは何も悪くありません。チョコになろうとしたことなど一度もないのですから。
私は幸運でした。
私が始めて日本に来たのは7歳の頃で、あんこを別の何かに間違えるようなこともなく、大好物な物として覚えたのですから。
これはチョコレートの代用ではないけど、良い物です。
アジアの多くが私に賛同してくれるでしょう。
スーパーマーケットに行けば、缶に詰まった様々なあんこを見ることが出来ます。
あんこは小豆のペーストと砂糖を混ぜて作られます。
これは日本、韓国、中国で様々なお菓子に使われています。
この甘くした豆はアイスやカキ氷の上にトッピングされたりもします。
甘いスープにして焼いた餅を浮かべたデザートとしてもよく使われています。
あんこは健康に良いデザートと考えているかもしれませんが、甘くするためにどれほどの砂糖が使われているかも考えておく方がいいかも。
あんこを食べる方法は山ほどありますが、私が好きなのは大福餅で包んだ物でしょうか。
餅、まだ遭遇したことのない人のために説明するならそれは米から作られた滑らかなペーストの事です。
古くから、時には国外でも、餅は中を刳り貫いた切り株で木槌で突き崩すことで作られてきました。
餅を作るのには2人の人間が必要です。
1人がつき、もう1人がその間にすばやく手を入れて返すことで餅になっていきます。
危険なように聞こえるかもしれませんが、リズムに乗ればかなり楽しいものです。
私もやってみました。
最近ではほとんどの場合電動の餅つき機で作るか、お店で買ってきています。
新鮮な餅は素晴らしいものです。
しなやかで柔らかく歯ごたえがあって、日本人が言うには赤ちゃんの腿のようだとか。
(それとも赤ちゃんの脚を餅の様だと言っていたのか、ちょっと思い出せませんが)
それは指に確かな感触を与える歯ごたえを持った柔らかな枕のようです。
そして、新鮮な餅にはそれ自身にはほとんど味がありません。
大福餅はあんこをしなやかな米ペーストで包んだもので、その独特な甘さと歯ごたえは和菓子以外だ似たものは知りません。
大福餅にはあんこを完璧につぶしてペーストにしたものと、単純にマッシュして粒を残したものがあります。
私は粒を残した物の方が好きですね。
大福餅には中にイチゴを隠しいれたイチゴ大福というスペシャルバラエティな物もあります。
これも好きですね。
バナナ大福というのも聞いた事がありますが実際に見たことはありませんし、その考えには若干の危険性を感じてます。
友人のメグミが言うには「バナナとあんこは合わない」とか。
私は彼女の言うことを半ば信じています。
私は2カ月おきくらいにシアトルにある巨大なアジアンスーパーマーケット”Uwajima”や海岸沿いにあるセントラルマーケットに行ってアジアの食材を買い込んでいます。
その時は毎回おやつとして大福餅を買ってます。
両方のお店に日本の同じブランドの大福餅が売られています。
家に戻ってすぐ、私は慎重に大福餅を開封してゆっくりと食べ、一噛み毎にしっかりと味わってます。
もちろん私はチョコレートも大好きなのですが、個人的にはこれも全く別物として同じくらい好きなのです。
特に大福餅として食べるときは。
レシピを紹介できないのが残念…日本人がどういう風にこれを作っているのか知らないもので。
(最近こちらのサイトで学んだし、こちらにもありますが)
大福餅は私が作るコツを知らない物のうちの1つです。
住んでる場所でいい大福餅が手に入れられない場合、例えば近くにアジアンマーケットがないような場所に引っ越した場合、間違いなく自作に動く事になるでしょう。
しかし私にとって家一杯の大福餅は危険なことかも。
(私の太腿がそれこそお餅のように膨らんでいくことになりそう)
1ヶ月ごとに制限されているのが私にとっては最善でそれで十分なのかも。
でも、もしあなたが大福餅が売られているのを見かけたのなら、試してみることをお勧めします。
あんこは決してチョコレートのようではありませんが、それ自身は凄く美味しいですから。
私があんこを好きなのは凄くラッキーなことだと自分で思ってます。
たくさんの人がその機会を逃してるだけに。
追記。
大福餅を自分で作ろうとしてる人へ。
読者の人がレシピを紹介しているサイトを教えてくれました。
どうやら凄くシンプルに作れそうです。
↓この記事につけられたコメント
●セーン
美味しいよね!
私はアジア出身の海外留学生なんだけど、大福餅は凄く人気のあるお菓子だと思ってる!
記事をありがとう!
でも、私の出身であるシンガポールでみんながあんこをチョコやバニラと比較してるかどうかはわからないな。
あんこはあんこでチョコはチョコ、バニラはバニラだよ。
●バーバラ
大福餅最高だよね。
日本ミュージアムと日本庭園に行った時、そこのカフェで売ってたんだ。
緑茶餅とあんこ餅(これはあまり好きじゃなかった)、それとマンゴー餅。
次の週にはその事をブログで書いて、餅に関する事を探してたからこの記事を読めて良かったよ!
●ジセレ
ワオ、私にとって甘い豆は全然異質なものじゃないよ。
(私はドミニカ人なんだ)
”甘い豆のデザートスープ”と呼ばれるHabichuelas con Dulceは1年に1度(四旬節で)作るデザートとして凄く人気なんだ。
甘い豆のアイスクリームだって食べたことある。
これも凄く人気だよ。
●エミー
Daifuku mochi ga daisuki!
あんことお餅はどんな形状でも好きだな。
クレイジーな位美味しいよね。
それに外国人の多くがあんこについて想像していた味と違うと嫌悪しているというあなたの指摘にも同意する。
素晴らしい記事だったよ!
natukashi(ノスタルジック)な気分になっちゃった。
●エミリー
小豆アイスは私のお気に入りなんだけど、当然のことながら地元のTrader Joe's(アメリカのスーパーマーケットチェーン)には置かれてないフレーバーなんだよね。
最近試した小豆のワンタン(お汁粉のことか?)にはがっかりしたけど、小豆のアイスは本当に好きなんだ。
●h.ハート
あんこ大好き!
ウマウマウマ~!
ゴマ餅も食べてみたことあるけど、油で揚げないゴマ団子みたいだったな。
●カレン
私も好き。
写真を見てるだけで涎が出ちゃうよ。
糖分は控えようと思ってるんだけど、アジアンマーケットに行くと山ほど買っちゃうんだよね。
美味し。
●ローラ
あんこは本当に好きなんだよね!
なんか食べたくなってきちゃったよ。
イチゴ大福は聞いたことなかったけど、美味しそう!
●ヒルダ
ここのブログはよく読むけどコメントすることはほとんどなかった。
でもこの記事には笑っちゃったよ。
私は緑茶のマカロンにあんこを入れた物について他の人と議論をしたことがあって、彼女はそのアイディアを気に入らなかったみたいなんだ。
私はあんこが好きで、外国人はあんこに対して別の味を予想するというあなたの意見には同意する。
私はペルシャ人で、あんこは飲んだり食べたりしてきた慣れ親しんだ味なんだよね。
私が警告したにもかかわらず友人達がそれを食べて、大抵ネガティブなリアクションをするのにはいつも笑っちゃうよ。
●エリザベスB
おお~、あんこ。
私大好きだよ。
お茶会の時に出される主菓子(柔らかいケーキ)」って食べたことある?
もの凄く細かな細工がしてあって、恍惚となる位美味しいんだ。
何だか食べたくなってきちゃったよ。
●カーベイ
小豆ペーストの事をあんこと呼ぶのは知らなかったけど、私はあんこ好きだよ!
私はロンドン生まれのロンドン育ちだけど、両親はインド出身で、小豆のペーストを何かにつけるような事はした事がなかった。
初めて小豆ペーストに遭遇したのはjin duiの中に入ってるのだったな。
(周りにゴマがまぶされた歯ごたえのある団子で、中に白餡かあんこが入ってるんだ)
大体10年位前のロンドンのチャイナタウンでのことだったよ。
パン屋のショーウィンドウに並んでて、試してみようと思ったんだ。
他の友達はあまり気に入らなかったみたいだけど、私は中に入ってたあんこが大好きになったよ!
●Mrs.L
私が初めて餅と呼ばれる物に出会ったのは Trader Joe'sの冷凍菓子コーナーだったな。
アイスクリームだった。
日本人街で餅を買って、中に豆が入っている事にどれほど私が驚いたのか想像してみて欲しいな。
多分私は日本食品店に戻って、どういう物なのか注意を払って調べ、心を開いて試すべきなのかも。
●ダイアン
私は普通のアメリカ人女性だけどあんこは大好きだよ。
ペースト状になったのが好き(粒が残ってるのだって)で、どんな物でもいけるよ。
サンフランシスコの日本人街にあるあんこが入った“fish”サンドウィッチだって好きなんだ。(訳注:タイ焼きのこと)
●シンディ
私の妹が小さな赤ちゃんだった時はみんなに餅って呼ばれてたよ。
確かに彼女は見た目も感触も小さなお餅みたいだったな。
キュートでデリシャス。
家ではあんこをいろんな方法で食べてるよ。
餅に入れたり、焼き菓子に入れたり、アイスに乗っけてコンデンスミルクを掛けたり、新年のケーキの中に入れてフライにしたり。
外はカリカリで中は柔らかで甘いんだ。
あなたもあんこを好きなことを知れて嬉しいよ。
●クッキークランブ
はぁ…私も普通の白人女性で、私はあんこが苦手なんだよね。
あなたは私のあんこ初体験を完璧に説明してくれたよ。
何か別なものだと思ってたんだ。
(チョコレート?)
でも、納豆は好きだよ。
●オーグレイス
私はラッキーだったみたい。
大学生の頃ルームメイトだった日本人に教えてもらって、すぐに好きになったんだ!
ここロンドンでもあんこを使った色んな物が手に入るけど、Uwajimaが懐かしくてしょうがないよ!
ロンドンにも日本人地区やチャイナタウンはあるけど、Uwajimaと同じものはないんだ!
●ジョン
自分はカリフォルニア出身で日本で働いたことがあるんだ。
ほとんどの友人達はあんこを口に入れるなり吐き出してたな。
彼らにとっては残念なことに、自分はあんこを大好きになったけど。
●アノニマス
私の日本でのあんこ体験は大体同じだな。
見た目はチョコレートなんだけど味は…何だこれは???
でも、その味に嵌っていったよ。
特に回りに黄な粉がまぶしてあるのは味と歯ごたえのコントラストが圧倒的だった!
その後行った東南アジアで食べた小豆のアイスバーにはこの言葉を送ろう。
ココナッツと小豆はコズミック的美味さだった。
チョコを連想して食べたら全然違う味だった、というケースが多いようです。
もっとも、元々豆を多く食べる国にとっては敷居が低い様でもあります。
和食ブームは今も続いており、いずれあんこも広く受け入れらるようになるかもしれません。
あんこ系は単体で食べるよりもお茶や牛乳と併せて食べると美味しさがいっそう引き立つ気が。
ともあれ、今年も一年よろしくお願いします!
紅葉の名所として知られる日本三景・安芸の宮島の名物で、代表的な土産品である。
現在では広島市内でも多くの店舗で購入が可能で、広島みやげとして全国的な知名度がある。
もみじ饅頭を発案した人物は明治後期の厳島(宮島)の和菓子職人、高津常助とされている。
島内の名所・紅葉谷の旅館「岩惣」には、当時伊藤博文やヘレン・ケラーら国内外の要人が多く投宿していたが、この岩惣に和菓子を納入していた高津は、宿の仲居から「紅葉谷の名にふさわしい菓子が作れないか」と依頼され、試行錯誤の結果、1906年に「紅葉形焼饅頭」を完成させた。
もみじ饅頭の起源には伊藤博文がかかわっていたという説があり、今日でも広く流布している。
内容は、「伊藤が岩惣の茶屋で休憩していた折、給仕した娘の手を見て『なんと可愛らしい、もみじのような手であろう。焼いて食うたらさぞ美味しかろ』と冗談を言ったのを岩惣の女将が聞きとめ、饅頭屋がこの話をヒントに考案した」というものである。
焼饅頭の一種である。
小麦粉・卵・砂糖・蜂蜜を原料とするカステラ状の生地で餡を包み、モミジの葉をかたどった型に入れて焼き上げる。
餡はこしあんが基本で、製法についてはどの製造元でもほぼ同一である。
もみじ饅頭が誕生した1906年当時からの、もみじ饅頭の基本とされる餡。
昭和初期、若き日の「ヒゲの殿下」こと高松宮宣仁親王が厳島を訪問した際、所望したのがきっかけで誕生した。
第二次世界大戦後に考案された。最中や栗まんじゅうなど、各地の銘菓を参考にしたもの。
1980年代、もみじ饅頭のブームが到来した際に考案された、最初の変わり種あん。食べる際に電子レンジで1個10~20秒加熱(500W)すると、チーズがとろけておいしくなる。
チーズ入りとほぼ同時期に登場し、扱う店舗数もチーズ入りと同程度。これも、少し温めるとチョコレートがとろけておいしい。また、冷凍庫で冷やしても味わいがよい。
カスタードクリームが入っている。
りんご(角切りしたもの)、餅、クリームチーズ、芋あん、竹炭パウダー入り(にしき堂の黒もみじ)など、現在も新商品の開発が続いている。
渋川は釣り好きで、隠居していたある日、江戸品川の海に舟を出そうとした時、一老漁夫が海上の一点の雲を指し、「50年来の体験によると210日目の今日は大暴風雨になる可能性が高いから舟を出すのはやめた方が良い」と教えた。これがはたしてその通りになり、その後も注意していると確かに210日頃は天気が荒れる事がわかり、貞享暦に書き入れたという。
渋川春海は1639年生まれであるが、1634年の文書にすでに210日の記述がある。
また伊勢暦には1656年から記載されているので、春海はまだ青年であり、隠居後の話という言い伝えと矛盾する。
二百十日は、雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として210日目、つまり、立春の209日後の日である。
21世紀初頭の現在は平年なら9月1日、閏年なら8月31日である。数十年以上のスパンでは、立春の変動により9月2日の年もある。
季節の移り変わりの目安となる「季節点」のひとつ。台風が来て天気が荒れやすいと言われている。
八朔(旧暦8月1日)や二百二十日とともに、農家の三大厄日とされている。
太陽暦(新暦)では9月1日前後で一定するが、太陰太陽暦(旧暦)では閏月が入るなどして、7月17日から8月11日前後まで、「二百十日」がどの日に該当するのかが一定ではなかった。
そのために必要になった暦注であると言われている。台風襲来の特異日とされ、奈良県大和神社で二百十日前3日に行う「風鎮祭」、富山県富山市の「おわら風の盆」など、各地で風鎮めの祭が催されてきた。
http://www.nhk.or.jp/kamado/story/index.html
①白こしあん
②つぶあん
③赤こしあん
ぜひ、お試しください。