岸和田 牛滝の紅葉

2012年11月25日
岸和田 の紅葉の名所として有名な 牛滝山 です。

 







  

 



ちなみに、牛滝山 近辺では 紅葉時雨 という名称の村雨も販売されています。





Posted by 安儀製餡所 at 16:28 photo galleryコメント(0)

非糖質系甘味料

2012年11月23日
さて、たくさんあった砂糖以外の甘味料も今回で最後となります。

非糖質系甘味料は大きく、天然甘味料 と人工(合成)甘味料に分類されます。

独立行政法人 農畜産業振興機構 より


face01 非糖質系甘味料の特徴

icon06 天然甘味料



icon06 人工(合成)甘味料



face01 非糖質系甘味料のエネルギー換算係数と甘味度

非糖質系甘味料の特徴は砂糖と比べて低カロリーであるとともに甘味度が極端に高いということです。



face01 非糖質系甘味料の用途および市場動向

icon06 天然甘味料



icon06 人工(合成)甘味料





face01 非糖質系甘味料の問題点

icon06 水分活性

仮にステビアを使って 並あん を作るとします。

配合は、前回説明したように通常 生あん 100kg(生あん の含水率 60%で水 60kg、でん粉 40kg)
、砂糖 60kg で、 とすると 出来高 155kg となり、Brix糖度計で51~53度であがります。

この場合濃度は

   {砂糖(60kg) + でん粉(40kg)} ÷ 加糖あん出来高(155kg) × 100 = 65%


これを砂糖を 100% ステビアで置き換えれば、甘味度 は砂糖の300倍ですから 200g で十分です。 

実際の濃度は {ステビア(200g) + でん粉(40kg)} ÷ 出来高95kg × 100 = 42% となります。

つまり、水分活性が極端に高くなってしまい、商品として日持ちがしなくなる、言い換えると 傷みやすくなる ということです。

また、これを防ぐために保存料(食品添加物)を使うということになります。

icon06 極端に高い甘味度

後、もう一つは、甘味度が砂糖と比べて極端に高いことです。だいたい砂糖の300倍の甘さ など私には想像できません。

これは味蕾(みらい)にある甘味受容体を300倍刺激するということです。

最近は砂糖を白眼視する記事をよく目にしますし、なかには麻薬のように扱っているものもあります。

この中には天然甘味料の低カロリーをもって砂糖の代替として推奨しているものが多いのですが、はたしてどうなのでしょうか?



 

Posted by 安儀製餡所 at 16:32 甘味料コメント(0)

アグルーカの行方

2012年11月22日
最近、書評を読んでいて興味を持ったのが、角幡唯介著「アグルーカの行方」という本です。

内容は簡単に言えば、
昔、北西航路を発見すべく北極海へ乗り出し、隊長以下129人の乗組員全員が行方を絶ったフランクリン探検隊の伝承と、それを追体験旅行する角幡と荻田の両氏の冒険家の旅行記が交錯する。


そう、British Folk(これも今となっては微妙な表現ですが)で有名な「Lord Franklin」のことです。


Martin Carthy がこの曲を Bob Dylan に教えるのですが、なぜかDylanはこのメロディを頂いて「Dylan's Dream」 を創ります。

この時「Scarborough Fair」も教えてもらうのですが、これは歌詞を頂いて「Girl from the North Country」という曲にしています。

さて、「Lord Franklin」 ですが、John  Renvourn も唄っていますが、やはり歌唱力ではMartin Carthyに軍配が上がります。

それにしても、この動画は力作です。作者に感謝します。




Lord Franklin

It was homeward bound one night on the deep
Swinging in my hammock I fell asleep
I dreamed a dream and I thought it true
Concerning Franklin and his gallant crew.

With a hundred seamen he sailed away
To the frozen ocean in the month of May
To seek that passage around the pole
Where we poor sailors do sometimes go.

Through cruel hardships his men did go
His ship on mountains of ice was drove,
Where the Eskimo in his skin canoe
Was the only one who ever came through.

In Baffin Bay where the whale fish blow
The fate of Franklin no man may know;
The fate of Franklin no tongue can tell
Lord Franklin long with his sailors do dwell.

And now my burden it gives me pain
For my long-lost Franklin I'd cross the main
Ten thousand pounds would I freely give
To know on earth, that my Franklin do live.

Posted by 安儀製餡所 at 17:46 本棚コメント(0)

加糖調製品

2012年11月12日
face01 加糖調製品

砂糖に他の食品素材を加えた食品加工用原料のことを指し、主に製菓、製パン、飲料メーカーなどで業務用原料として使用されています。

素材や砂糖の含有量によって様々な種類のものがあり、その多くは海外から輸入されています。

主なものはソルビトール調製品加糖あんココア調製品などです。

この中でもあん練りに使われるのが ソルビトール調製品 です。


face01 ソルビトール調製品

ソルビトール調製品とは、砂糖とソルビトールを混合したもので、ショ糖含有率が全重量の50%以上85%未満のもので、
砂糖に変わる割安な代替材料として、近年需要を伸ばしています。

face01 石油 と 砂糖、ソルビトール調製品 の関係

2005年は石油価格の値上げが著しく、その価格のしわ寄せとして原料粗糖の国際価格が高騰し、 砂糖の値上げへとつながっていると見られています。

ではなぜ、石油と砂糖の価格が関連しているのか?

高騰する石油の代替燃料として、さまざまなエネルギーへ関心が集まっているが、その中の一つとして「エタノール」があります。

「エタノールは砂糖を精製する段階で生産される」というのが、ポイント。

つまり、代替エネルギーとして今後需要が伸びるであろうと予測した投資家が、エタノールを買いに動く。
↓ 

すると、エタノールは砂糖を精製する過程で発生するものなので、砂糖の価格も上がってくる。
 
↓ 

砂糖の価格が上がれば、その砂糖を使っている企業(お菓子メーカ)などは、その値上がりした価格を、どこかで吸収しなければならない。

↓ 
しかし、菓子は価格競争が激しく、小売価格への転換が困難。商品に価格を転嫁させてしまえば、売上に大きく関わってくる。
 
↓ 

というわけで、割安な代替材料であるソルビトール調製品への関心が高まっています。

↓ 

コンビニなどで1個百円前後で売られている薄利多売を狙っている商品からソルビトール調製品へのシフトが進んでいくというわけです。

face01 ソルビトール調製品の現状

ソルビトール調製品は、主に中国、 韓国、 タイなどから輸入されています。

なお、国内砂糖と輸入調整品の価格差は、約1.6倍ほどです。

ただし、ソルビトール調製品の価格も砂糖の価格の上昇と連動して値上がりしています。

輸入量も、2004年10月から2005年9月の間に33万トンと、14年まえの4.2倍強に達しました。

値段からしても、砂糖の割高感はぬぐえず、今後はよりいっそう調整品が普及するかもしれない。

「最近の子供は和菓子で本当の砂糖の味を知らない、今の饅頭は調整糖(加糖調製品のことです)ばっかりや!」と嘆かれるのは、このような背景があります。   続きを読む

Posted by 安儀製餡所 at 23:14 甘味料コメント(0)

糖度

2012年11月11日
face01 糖度

今回は糖度について説明したいと思います。

現在 あんこの品質、特に甘さを表す時に、一般的に糖度何%とかBrix何%と表現されます。

弊社でも あん練りの際に屈折糖度計を使ってBrixを測りそれを糖度としています。

ただし、これは甘さを測っているのではなく、どちらかと言えば 加糖あん の練り具合、硬さを確認しているのです。

face01 甘さを表す指標

現在、甘さを表す指標として比較的良く使われるのが、甘味度、糖度、Brixです。


この三者の違いを簡単に説明すると次のようになります。




このうち、甘味度については以前に少しふれましたので、今回は糖度、Brixについて書いてみます。

その前に、この両者と密接な関係にある糖度計について説明をします。


face01 糖度計

① 糖度計の原理

  糖度計は、屈折率を測定するものです。コップに水を入れ、その中にストローを入れると、水に浸っている部分のストローが曲がって見えます。

次に、水の砂糖をたくさん加えて濃い砂糖水にすると、ストローは更に曲がって見えます。これが光の屈折という現象です。


  糖度計は、この原理(液体の濃度が高くなると、その屈折率も上昇する)を応用した測定器です。糖度計の代表例としては、昔からある手持屈折計とポケット糖度計とが有ります。どちらもBrix目盛を搭載しています。

② Brix目盛

  Brix目盛とは、ショ糖のw/w%の事です。濃度と屈折率に相関があることから糖度計の目盛として使用されています。

ショ糖の濃度と屈折率との相関はBrix博士が発見したもので、サトウキビなどの砂糖の取引のための品質規格として国際砂糖分析統一委員会(ICUMSA)によって規格化されています。

face01 糖度 = 甘さ とは限らない

① 果物の糖度

糖度が高くとも糖分が多いとは限りません。

一般の果物では屈折率を変化させる要素のほとんどが糖であることから糖度=糖分という「常識」が生まれました。

しかし、温州みかんを屈折糖度計で測った場合、糖分が10 %であってもクエン酸が1 %あれば糖度は10.9度となります。

つまり果物でも屈折糖度計で測ったBrix糖度のすべてが糖分ではないのです。

この場合、実際の糖分はBrix糖度より低いことになります。

② 糖度と甘味度

 また、糖度が高いほうが甘いとも限りません。

糖分が同じならば屈折糖度計で測ったBrix糖度は酸が強いほうが高くなってしまいますが、味覚では酸が少ないほうが甘く感じるからです。

最終的には味覚を重視しなければ意味がありません。

face01 Brix = 糖度 ではなく 実際は Brix = 濃度 である

 ラーメンスープ、シチュー、焼肉のたれなどは糖分の他に塩分、酸、エキスなどが溶け込んでいます。

  この場合はこれらを合算したもの(可溶性固形分)が製品100g中に何g入っているかを百分率で表します。

   これら合算したものを%(百分率)で表した値を濃度といいます。

 
この場合、屈折糖度計で計った値はこの濃度を指し、Brix(ブリックス)=濃度となります。

face01 加糖あん の 糖度



hosi 目的

一般的に加糖あんのBrix糖度を測るのはは次の目的のためです。

① 加糖あん の甘さ を表示する。

② 加糖あん の水分活性値を推測する目安となる。

③ 加糖あんとあんを包んでいる和菓子の生地の糖度を合わせることにより、浸透圧による水分の移行を防ぐ。

④ あん練りの時の加熱の具合を決める。

hosi Brix糖度の実態

さて、生あん 100kg に対し 砂糖 60kg を加えて いわゆる 並あん を作るとします。

結果、次のような出来上がりになりました。

Ⅰ 出来上がりは、屈折糖度計で Brix 51~53度

Ⅱ 出来高は あん練り時の 加水 と加熱による水分の蒸発により、155kg
となった。

さて、この場合 三種類の糖度が存在します。

① 実際の糖度

   砂糖(60kg) ÷ 加糖あん出来高(155kg) × 100 = 39%

② 理論上のBrix(濃度)

   生あん の含水率 を 60% とすると 生あん100kgは 水 60kg、でん粉 40kg
となります。

   したがって、屈折糖度計を使えば、理論上Brix(濃度)は

   {砂糖(60kg) + でん粉(40kg)} ÷ 加糖あん出来高(155kg) × 100 = 65%
 になる筈です。

③ 屈折糖度計 で実際に測ったBrix(濃度)

  過去の経験より 上記の条件で製造すれば、51~53% になります。

hosi 結論

 ①と③が一致しないことは今までの説明で想像がつきますが、②と③が一致しないということは、 加糖あんに限って言えば、「屈折糖度計はその濃度を正確に測定する訳ではない。」といえます。

屈折糖度計はあくまでも、ショ糖水溶液の屈折率を基準としていますので、加糖あんでは正確に反映されないと推定できます。

もし和菓子の生地のBrix(濃度)が加糖あんと同様に本来の濃度を反映していないのであれば、目的③にも使えません。

hosi Brix(濃度)の意味

それではBrix(濃度)が全く役に立たないかと言うと、決してそうではありません。

あん練りは、昔は年季の入った職人さんが、最後に釜に杓子を入れ、杓子から流れ落ちるあんの具合を見て練り具合を判断したものです。

一方、現在はこの職人技の代わりにBrix(濃度)を使うわけです。

上記の例では、あん練りの加熱、撹拌作業において、屈折糖度計のBrix(濃度)を確認していき、51~53%になった時点で作業完了となります。

このようにして、品質の標準化を図るために屈折糖度計のBrix(濃度)を利用しています。


face01 最後に


最後にもう一つ付け加えれば、糖度は実際の甘さを全く反映していないということです。

今まで述べてきたように、砂糖の代わりに糖アルコールなどの食品添加物を使ったり、一部置き換えたりすれば糖度を高くして甘さを控えることも可能です。

ただし、そうすれば砂糖にはない糖アルコール独特の味(甘味)が出てきます。

先日、電車に乗っていて「最近の子供は和菓子で本当の砂糖の味を知らない、今の饅頭は調整糖(加糖調製品のことです)ばっかりや!」と大阪のおばちゃんが嘆いていたのを聞きました。

加糖調製品とは砂糖と糖アルコール(おもにソルビトール)を混ぜたものです。

これはなんだか現在の醸造アルコールを添加する日本酒に似ています。

現在のアルコール添加の目的は、酒の量を水増しするためではなく香味の調整 が第一の目的であるそうですが、私などは、醸造アルコールを添加されている吟醸酒よりも、やはり添加されていない純米酒の方が美味しく思います。 

Posted by 安儀製餡所 at 20:53 甘味料コメント(0)
onpu2 さて、甘味料のことばかり書いていて、少々ウンザリしてきましたので、少し別の話題を。

やはり、11月も後半にさしかかると毎年この曲が聴きたくなります。

私が SANDY DENNY のLPを買って、この曲を聞いていた頃は、彼女が唄っている映像が観れるなんて、夢にも思いませんでした。(この時は既に彼女は亡くなっていましたが)

まさに Who Knows Where the Time Goes です。


勿論、FOTHERINGAY をバックを唄っているLP盤のものも素晴らしいのですが、なんと SANDY DENNY がピアノの弾き語りをしている映像がありました。





onpu2 最後に FAIRPORT CONVENTION 時代の名曲 FAREWELL FAREWELL を MARY BLACK が唄っている映像を。




Posted by 安儀製餡所 at 19:49 Down South in Osakaコメント(0)

糖アルコール

2012年11月05日
face01 「糖アルコール』に属する甘味料

糖質に水素添加(還元)し、化学的に安定させたものである。

天然にも種々の糖アルコールが存在するが、一般的には工業的に酵素反応などによって生産されており、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、還元水飴などがある。

これらは表示上は「食品添加物」になる。

  非褐変性(タンパク質やアミノ酸と加熱しても変色しない)などの性質を持つことから、加工食品に使われている。

また、消化・吸収されにくいため、低カロリー甘味料としても使用される。

ただし、多量に摂取した場合には、緩下作用(お腹が緩くなる作用)があるものもある。

和菓子では還元水飴などは、糖度を下げずに甘味度を下げる目的で使用される例が多く、また、ようかんなどで表面の白い結晶(シャリ)の析出を防ぐ働きもある。


face01 各甘味料の特徴






face01 「糖アルコール」のエネルギー換算係数と甘味度




face01 「糖アルコール」の用途および市場動向





独立行政法人 農畜産業振興機構 より


icon06 次回は「糖アルコール」と深い関係にある 「加糖調製品」 について書いてみたいと思います。

Posted by 安儀製餡所 at 18:43 甘味料コメント(0)
face01 「その他の糖」に属する甘味料

オリゴ糖類(単糖類が2から20個程度つながったもの)がほとんどですが、最近良く使われるトレハロースもこの仲間に分類されます。

オリゴ糖類の機能のほかに、砂糖と比べて甘味度(かんみど)が低いという特徴があります。

face01 甘味度

甘味度(かんみど)は甘味料の甘さの指標である。ショ糖の甘さを基準として比較されることで求められる。

測定方法

基本的に人の味覚を元に測定する。このため、定量的な値ではない

一定質量濃度のショ糖溶液と他の甘味料溶液を比較し、同等の甘さを感じる濃度から求める手法や、溶液の甘みを知覚できる閾値における濃度を比較することで求める手法などがある。

甘味度はこれらの測定方法の違いによっても値が変化する。(以上ウィキペディアより)

以上のように甘味度は今一つ信用性に欠けるのと、実際に感じる甘さがこの甘味度と合致しない、具体的に言えば食後の感覚が表わされていないというにが私の個人的な感想です。

face01 各甘味料の特徴



独立行政法人 農畜産業振興機構 より


注1) 乳糖

乳糖はブドウ糖とガラクト-スが結合したもので、牛乳や人乳問わず哺乳類の乳汁に含まれている。
善玉菌である乳酸菌の栄養となる成分です。 腸内ではラクターゼという酵素により分解、吸収されます。

注2) キシロース

 木糖ともいう.アルドペントースの一種.木材,わら,トウモロコシの芯などに多糖であるキシランとして存在。甘味度は砂糖(ショ糖)の約1/2。

face01 「その他の糖」のエネルギー換算係数と甘味度



砂糖と比べて全般的(オリゴ糖類)にエネルギー換算係数(カロリー)が低いが、その中で近年和菓子や加糖あんによく使われるトレハロースだけは砂糖よりエネルギー換算係数が高い。

face01 「その他の糖」の主な用途および市場動向





icon06 次回は 「糖アルコール」 に属する代表的な甘味料について書いてみたいと思います。

Posted by 安儀製餡所 at 21:01 甘味料コメント(0)

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