icon06 食品の冷凍・解凍方法について興味を引く記事を見つけましたので少し紹介したいと思います。

日本経済新聞 2012年4月29日版に『不凍たんぱく質』に関する記事が載っていました。

食品を冷凍・解凍した場合、味がおちる理由は、【食品の冷凍・解凍方法】 で少し説明しました。

今回のものも、その味落ちを防ぐための根拠は同様です。

冷凍する時に氷の結晶を大きくならないようにして食品内の組織を傷つきにくくして、解凍する時にドリップ液が流出するのを抑えるというものです。

その手段として、商品化された 「不凍たんぱく質」 を使うということです。

以下は 「不凍たんぱく質」 について簡単な説明をしたいと思います。

face01 南極の魚はなぜ凍らないのか?

すべてはこの単純な疑問からスタートしました。
南極に住む 「ノトセニア] は不凍たんぱく質を持っているので-2℃でも凍らない。普通の魚は-0.7℃で凍ってしまう。



詳しくはこちら
http://www.kaneka-finefood.com/about/index.html



face01 役割

新聞によれば次の三点です。

① 魚などは氷の結晶が大きくなることを防げ、体を壊さないようにして低温で生き抜いていけるようにしている。

② 植物は乾燥に耐えるために使う。植物にとって乾燥は低温と同じくらい生存するうえで脅威となる。不凍たんぱく質は、体内の水分が氷として外に出ないように囲い込む。体内から水分が失われる状態を防ぐ。

③ 氷の結晶が育つのを妨げるほか氷結晶に結合して安定な状態にすることから、溶けだす温度を引き上げる。

face01 利用例

意外ですが、アイスクリームに不凍たんぱく質を混ぜる。アイスクリームが凍らなくなりそうですが、不凍たんぱく質には別の働きがあります。氷の結晶が育つのを妨げるほか氷結晶に結合して安定な状態にすることから、溶けだす温度を引き上げるという特徴もある。アイスクリームが溶けにくくなるという効果が期待できる。

米国では遺伝子組み換え技術を駆使してつくった 不凍たんぱく質を使っている。

face01 問題点

① 魚類からの抽出が主な精製法で非常に高価であった。

② 遺伝子組み換え細菌を用いた量産技術が確立された。が、人体へのアレルギー性や毒性が懸念される。ただし現在のところ、人間へのアレルギー性や毒性は報告されていない。

③ 不凍たんぱく質を投入すことによる、食品の味そのものへの影響。

④ これは素人の素朴な疑問なのですが、不凍たんぱく質の熱に対する耐性がどうなのかという点です。
通常食品加工の現場では、食品添加物は加熱処理・撹拌を同時に行い、その過程で投入されることがほとんどです。通常たんぱく質は熱に対して弱いことになっています。したがって、加熱処理中に投入して効果があるのかという点です。

ただし新聞記事によれば 「だし巻き卵」 で効果を発揮しているということなので心配は不要みたいです。

icon06 前回紹介した方法と比べて設備投資の必要がないのが魅力です。





Posted by 安儀製餡所 at 21:16 安儀通信コメント(1)

Soul Shine

2012年04月29日
onpu2 さて、Beacon Run も終わって、約一カ月ぐらいが経ちます。

たくさんの動画がUPされています。が GREGG ALLMAN がなにか元気がないような感じに見えました。とくにアコースティックのセットの演奏は?という感じです。情報では体調を崩して休んだ日もあったということで少し心配です。

onpu2 さて、最近ますます容貌が漫画のワン・ピースのキャラクターに似てきた WARREN HAYNES ですが彼が珍しくアコースティック ギター の弾き語りで SOUL SHINE を演奏している動画があります。 なにかラジオ局での放送を映像に収めたもののようです。

SOUL SHINE を唄いたいという方はギターのコードが分かり易いので参考になると思います。

onpu2 オリジナル キイはB♭ですが、オカズを入れやすくするため、3フレットにカポタストをつけて G で演奏しています。

コードの種類も単純なものばかりです。




When you can't find the light
That guides you through a cloudy day
When the stars ain't shinin' bright
And feels like you've lost you're way
When the candle lights of home
Burn so very far away
Whoa you got to let your soul shine
Just like my daddy used to say

He used to say soulshine
Whoa It's better than sunshine
It's better than moonshine
Damn sure better than rain
Yeah now people don't mind We've all feel this way sometimes
Got to let your soul shine, shine till the break of day

I grew up thinkin' that I had it made
Gonna make it on my own
But Life can take the strongest man
Make him feel so alone
Now sometimes I feel a cold wind
Blowin' through my achin' bones
I think back to what my daddy said
He said Boy, in the darkness before the dawn

Sometimes a man .. can feel this emptiness
Like a woman .. has robbed him of his very soul
A woman too, God knows, she can feel like this
And when your world seems cold,
You got to let your spirit take control

onpu2 この人の SOUL SHINE も



onpu2 これは BETH HART が JEFF BECK のツアーにゲストで参加した時のものです。




Posted by 安儀製餡所 at 22:42 Down South in Osakaコメント(0)

PANENKA(パネンカ)

2012年04月28日
face01 今年はロンドンでオリンピックが開催されますが、ということはサッカーでは EURO 2012  ポーランド、ウクライナ の共同開催で行われます。

今回の注目は  スペイン の連覇が成るか!です。

過去 ヨーロッパ選手権⇒ワールド・カップ (あるいはその逆 )を達成した国は過去三か国 しかありません。

西ドイツ、フランス(ジダンの時代) そして現代の無敵艦隊スペインです。

いかしながら、三連覇を達成した国はありません。

このところの充実ぶりから、十分その可能性があると思うのですが、果たしてどうなるでしょうか?

face01 過去三連覇に最も近かったのは西ドイツで、今でこそ西ドイツといえば面白くないサッカーの代表のように言われていますが当時はタレント揃いで、ヨーロッパ選手権⇒ワールド・カップ と連覇し、最後のヨーロッパ選手権は決勝まで進みました。 

決勝の相手は チェコ・スロバキア 。 今となっては歴史の教科書の中しか存在しない国同士の対戦となりました。

face01 結果は120分で決着が付かずPK戦にもつれ込みます。

西ドイツのヘーネス が外した後、チェコ・スロバキア の パネンカ が決めて優勝、結局最後 ベッケンバウアーは蹴れずに終わりました。

face01 この パネンカ の蹴ったシュートというのが、「あの緊張した場面でよくあんなことができるなあ!」 というもので、このPKの蹴りかたは 『パネンカ』 という固有名詞になっています。




face01 最後に失敗例を



face01 おまけ スーパースター ヨハン・クライフ



Posted by 安儀製餡所 at 23:01 Down South in Osakaコメント(0)

競馬で儲けている人

2012年04月27日
zenibukuro さて、 「粽」 の記事で少しふれた 「宮城谷昌光氏」 ですが、氏は作家として名声を博す以前は 「競馬で生計を立てていた」
と雑誌のインタビューで答えておられました。

まあ、それにちなんでということでもないですが、これは私と 競馬好きの友人N との酒場での与太話です。

Whisky in the Jar ..... (35/365)
Whisky in the Jar ..... (35/365) / Steve Tolcher



私 「毎週馬券を買っているようだけど、一体世の中で競馬で儲けている人というのは存在するのかね?」

N 「いるよ、それも確実にね。この俺がその証拠さ」

私 「なるほど。ということは今日は君の奢りということで。御馳走になりますか。」

N 「まあ、待ってくれ。俺の場合はむしろ負けている、それも大幅に。多分回収率は50%を下回っている。」

私 「おいおい、それじゃ話にならない。」

N 「まあ俺の話を最後まで聞け」

  「これからじっくりと説明してあげるさ。」「JRAの控除率というのは25%なのさ。」

私 「そんなことは誰でも知っている。」

N 「ここからがポイント。ということはトータリゼーションシステムに不正、バグがない限り購買された馬券の回収率というのは全て平均すると75%になるはずなんだ。」

「すなわち、この75%の金を馬券を買った人間で取り合いをしている訳なんだ」

「つまり俺のように回収率が25%を下回る人間がいるということは、逆に100%を越えている人間が必ず存在するということになる。」 

 「言い換えるとJRAのシステムというのは俺たちは「馬」「騎手」と勝負しているんじゃない。馬券を買っている人間同士  が勝負しているんだよ。」

私 「そこまで分かっているなら、その予想とやらに費やす時間というのは無駄ということか?」

N 「何を言っている。論理的にはそうだが、予想こそが至上の楽しみさ」



tokei 彼の反省と説得力に欠ける説明は延々と続きました。

Posted by 安儀製餡所 at 21:46 Down South in Osakaコメント(0)
 
face01 さて、今年のUEFA チャンピオンズ リーグ 決勝は予想に反して、スペインの2大クラブが準決勝で敗退し、決勝は FCバイエルン(ドイツ) と チェルシー(プレミア) とで行われることになりました。

25日に行われたチャンピオンズリーグ準決勝、レアル・マドリー対バイエルン・ミュンヘンの第2戦は、第1戦を1-2で落としているレアル・マドリーが2-1で勝利し、合計スコアを3-3の同点に持ち込んだものの、延長戦の末にもつれ込んだPK戦を3-1で制したバイエルンが2シーズンぶりの決勝進出を決めました。

スペイン勢はその前に行われた クラシコ の影響があったのかもしれません。

レアル・マドリーのモリーニョ監督「PKを外せるのは蹴る勇気を持つ選手だけ」と敗戦(引き分け)を含蓄のある言葉で、締めくくりました。

face01 ところで、この2クラブで争われることになると、ドイツ中(あるいはイングランドも)のマスコミが M.バラック にインタビューに行くのでしょう。とにかく両クラブで主力選手として活躍しましたから。

FC バイエルンとして決勝戦が自らのホーム アリアンツ・アレーナ で行われることもあり、負けられないところです。でもドイツのクラブは案外イングランドのクラブに決勝で負けることが多いので何とも言えません。

前回のヨーロッパ選手権でスターになり損ねた M.ゴメス が今回はいいところをみせるかもしりません。

香川選手の大活躍で日本でも有名になったブンデスリーガですが、その中でもFC バイエルン といえば別格で、なんといってもドイツではいわば日本でいえば、30年前の「読売ジャイアンツ」みたいなもので、決して 宇佐美選手 が所属しているだけのクラブではありません。(日本のマスコミの扱いはこんな感じですが)

face01 そのFC バイエルン の黄金時代を支えたのが、F.ベッケンバウアー と G.ミューラー です。





Posted by 安儀製餡所 at 21:02 Down South in Osakaコメント(0)
4月19日にリヴォン・ヘルムが亡くなったことを今日初めて知って、言葉がありません。最近は病気からも回復して元気に若々しく唄っていたと思っていたのですが、残念です。

 The Band の唯一のアーカンソー出身のアメリカ人であり、「彼らの多くの曲は彼の語った南部の話をもとメンバーが協力して創られた。したがって、The Band の曲はクレジットにあるように ロビー・ロバートソン だけのものじゃない。」
 彼は自伝の 『軌跡』 のなかで確かこんなようなことを語っていたように思います。(不確かな記憶なので間違っているかも知りませんが)

The Band の『Music From Big Pink』 を初めて聞いた時の印象は御多分にもれず『?』という感じでした。 一曲目「Tear of Rage 」 イントロのオルガンみたいなギター、ねちっこいボーカル(リチャード・マニュエル)、シンプルでずっしりと響くドラム、聞くたびにその魅力に引き込まれていきます。

onpu2 彼らの曲の中で、ある意味一番有名なのが 「The Night They Drove Old Dixie Down 」 ですが、なぜか、この曲の世界から一番遠いところにいそうなジョーン・バエズが唄って大ヒットしました。

最近ではオールマンB.B.も演奏していました。









このジャケットの彼の写真は何とも言えないものがあります。
Posted by 安儀製餡所 at 21:30 Down South in Osakaコメント(0)

米粉について

2012年04月21日
今までの記事の中で、 白玉粉、 上新粉 などいろいろな米粉がでてきました。

ここでは、米粉 について簡単にまとめてみたいと思います。



face01 米粉を使った和菓子

  

村雨 上新粉 糯粉                          桜餅 道明寺粉

  
柏餅 上新粉 白玉粉                         ういろう 上新粉

     

上生菓子 寒梅粉(みじん粉)                     いちご大福 白玉粉/糯粉

タイトルなしRIMG0395Maccha shiratama anmitsu
タイトルなし / Yasuo Kida                    RIMG0395 / vaboo.com                   Maccha shiratama anmitsu / 305 Seahill
押しもの/打ちもの 寒梅粉/上南粉       上用饅頭 上新粉(上用粉)              白玉団子 白玉粉      




  





Posted by 安儀製餡所 at 21:32 安儀通信コメント(0)
icon13 友人が桜の写真を送ってくれましたので、紹介します。


face01スライドショーはここから







      

      








  

Posted by 安儀製餡所 at 13:21 photo galleryコメント(0)
face01 4月13~14日に掛けて、主に豆を保管している材料倉庫のエアコンを入れ替えました。

前任のエアコンも25年以上働いてくれたのですが、(もっとも実働は夏期シーズンに限られていますが)ついに力尽きました。

face01 豆の管理というのは意外とデリケートで室温を15℃~18℃ぐらいに保ってやるのが理想的です。

冷蔵庫で保管したら、豆が湿気て使い物にならなくなります。逆に温度が高すぎるのも、虫の発生につながります。

豆そのものは賞味期限の表記が必要ありませんが、だからと言って常温で倉庫に眠らせていると大変なことになります。

おいしい あんこ を作るには定温倉庫による原材料の保管が絶対必要です。


face01 これも、前回の冷蔵庫の室外機の入替と同様、夏場の電力使用量の削減につながると思います。

ただし、電力使用料の方は、電気料金の値上がりから増加してしまうでしょう!
Posted by 安儀製餡所 at 18:19 安儀通信コメント(0)

粽(ちまき)

2012年04月15日
柏餅の次にあんこと直接の関連はないのですが、について少し書いてみたいと思います。

 端午の節句に日本で食べられる粽



icon06 さて、粽について調べていると、大概は『楚の屈原がどうのこうの』という説明がなされているのですが、いまひとつ納得がいきません。

これはあくまでも 『中華粽』 の話であり、現在日本で端午の節句に食べられている、 『餅を笹の葉で包んだ和菓子』 とどう関係してくるのか?あるいは両者は全く関係がないのか!

現在、日本で粽というと次の三つに分類できます。

①和菓子の粽

②中華粽

③京都の祇園祭で使われる飾りの粽

face01 粽の伝来

平安時代に中国から端午の節句が伝来したとき、粽も一緒に伝えられ全国に広がっていきました。

 hana3 粽の語源(中国)

後漢(2世紀)の『説文解字』は、「粽」の本字「糉」の字義を「蘆葉裹米也」(蘆(あし)の葉で米を包む也)と記している。この字の旁(つくり)には「集める」という意味があり、米を寄せ集めたものがちまきという事になる。「粽」は旁を同音の簡単な部品に置き換えた略字である。 (ウィキペディアより)


 hana3 粽の語源(日本)

承平年間(931年 - 938年)に編纂された『倭名類聚鈔』には「和名知萬木」という名で項目があり、もち米を植物の葉で包み、これを灰汁((アク)で煮込むという製法が記載されている。日本ではもともとササ、蘆(あし)ではなく茅(チガヤ)の葉で巻いて作られたため『ちまき』と呼ばれる。(ウィキペディアより)

つまり、中国から伝来したササ、蘆(あし)で米を包んだ食べものを、日本では茅(チガヤ)の葉で巻いて作られたため『粽』を
『ちまき』と読むようになった、ということです。

 






 
 チガヤ(茅・茅萱)というのは、ごく普通に見られるイネ科の多年草である。日当たりのよい空き地に一面にはえ、白い穂を出す。かつては食べられたこともある、古くから親しまれた雑草である。(ウィキペディアより)







粽は元々灰汁の持つ殺菌力や防腐性を用いた保存食でした。

その後、各地で改良や簡略化が行われ、特に京では餅の中に餡を包み込んだり、餅を葛餅に替えるなど和菓子化していきました。

江戸時代に五節句のひとつとなった際、江戸では柏餅が定着し、上方は粽が伝承されました。今でも関東では柏餅、関西では粽が親しまれています。



face01 改良や簡略化

 hana3 糒(ほしい)= 粽 ?

 粽は、武士が戦をする時のための、携帯食&保存食として利用されてもおかしくありません。上杉謙信が考案か?というがこれは極めて怪しいですが、諸葛孔明の万頭やナポレオンの缶詰と同じで有能な将軍や武将は兵站を重視していたことの一例でしょう。まあ、ナポレオンはモスクワで大失敗をしますが。

 竹には抗菌作用があるので、その笹の皮でお馴染みの『糒』を包む事によって、腰にぶら下げる事ができ、なおかつ数日は保存も効く様にしたと言う事の様です。

 三角形になる様に編んだ笹の皮の中に『糒』を入れてしばり、水にひたして糒に水を吸わせた後に、ゆでます。時には塩味をつけた事もある様ですが、基本的にはもち米だけの中身なので、笹の香りがするオニギリになります。

 水をひたす前の状態でいくらでも作り置きができ、必要な時に一気にゆでて配ればいいので、まさに戦のための食料です。

 hana3 和菓子化

 ① 笹だんご

似た食べ物に笹だんごがあります。


 笹団子

 ヨモギ入りの餅をついて、中にあんこを入れて、笹の皮で包んだものです。

 この笹だんごが「戦の時の携帯食&保存食として考案された」と至る所で紹介されていますが、わざわざ餅をついてあんこを練って包む様な手間な事を、戦のどさくさな時にしていたとは考えられません。

おそらく粽の変種として、江戸時代以降に笹だんごが作られる様になったのではないかと思われます。

 ② 端午の節句に日本で食べられる粽

平和な江戸時代になると軍用の粽の需要が減り、それに代わって新たな調理法が考案され、それが現代の和菓子の粽になったと推論してもおかしくないでしょう。

江戸時代、1697年(元禄10年)に刊行された本草書『本朝食鑑』には4種類のちまきが紹介されています。

1.蒸らした米をつき、餅にしてマコモの葉で包んでイグサで縛り、湯で煮たもの。クチナシの汁で餅を染める場合もある。

2.うるち米の団子を笹の葉で包んだもの。御所粽(ごしょちまき)、内裏粽(だいりちまき)とも呼ぶ。

3.もち米の餅をワラで包んだ飴粽(あんちまき)。

4.サザンカの根を焼いて作った灰汁でもち米を湿らせ、これを原料に餅を作りワラで包んだ物。朝比奈粽(あさひなちまき)と呼ばれ、駿河国朝比奈の名物という。

このうち、2は現在の和菓子屋で作られる和菓子のちまきの原型であり、現在の餅の原料は葛に代わっている。笹の葉を用いたのは川端道喜という京の菓子職人であり道喜粽とも言われる。現在でも川端家はちまきを製造しており、代表的な京菓子の一つである。京都を始め、各地の和菓子屋で製造されるちまきは大半がこのカテゴリーに入るものと思われる。端午の節句に作る店が多い。(ウィキペディアより)

 日本古来のオーソドックスな粽は、祭事用(貴族)⇒軍事用(武士)⇒和菓子(庶民)と変化して現在の和菓子の『粽』が誕生する事になったのではないでしょうか。


face01 中国の粽

 hana3 起源


  ① 戦国時代

今からおよそ2300年前の中国、宮城谷 昌光氏(みやぎたに まさみつ)の小説でお馴染みの戦国時代、戦国の七雄の一つに、屈原(くつげん)という政治家、詩人がおりました。

屈原は楚王の側近として仕え、その正義感と国を思う強さで人々から大変慕われていましたが、陰謀によって失脚し、国を追われてしまいます。

その時の思いをうたった「離騒(りそう)」という長編叙事詩は中国文学の名作となりますが、国(楚)の行く末に失望した屈源は、汨羅(べきら)という川に身を投げてしまいました。

その日が5月5日。屈原の死を悲しんだ楚の民は、川に沈んだ屈源が魚に食べられてしまわないよう、小船の上から太鼓を叩いて魚をおどしたり、供物を投げ入れて弔いました。

  ② 漢の時代

ところが漢の時代に、里の者が川のほとりで屈原の幽霊に出会います。

幽霊曰く、里の者が毎年供物を捧げてくれるのは有り難いが、残念なことに、私の手許に届く前に蛟龍(こうりゅう)という悪龍に盗まれてしまう。

だから、今度からは蛟龍が苦手にしている*楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み、五色の糸で縛ってほしい。と言ったのである。

里の者は、あいわかった、と承知して、以来、楝樹(れんじゅ)の葉で米を包み五色の糸で縛って川へ流したので、無事に屈原の元へ供物が届いたのでした

*楝樹(れんじゅ)の葉⇒笹の葉

 これがよく知られている粽の起源です。

hana3 端午の節句の起源 5月5日⇒屈原の命日

 端午の節句の起原は、古代中国に遡ります。古来より中国では、物忌みの月(5月)には厄払いの行事が盛んに行われていました。

端午の「端」は文字通 り「はじ/最初」の意味で、「午」は「うま」つまり端午とは、五月の最初の午の日に行われると言う意味です。最初は必ずしも五月五日ではなかったようで、午と五のゴロが同じことからこの行事は、やがて5が重なる重五の日、つまり5月5日に大切な厄払いの日として定着します。

 これは、中国での屈原の命日と端午の節句とが、たまたま同じ日だったために、「端午の節句にちまきを食べる」と言う風に、ふたつの風習がくっついてしまったものの様です。

ところで、歴史の上ではどちらかと言えば些細なこの屈原の事件が、このように盛大な祭に発展していったのでしょうか?それは、次のような理由だと言われています。

急に暑くなるこの時期は、昔から病気にかかりやすく、亡くなる人が多かった。

その為、5月を『毒月』と呼び、厄除け・毒除けをする意味で菖蒲やヨモギ・ガジュマロの葉を門に刺し、 薬用酒や肉粽を飲食して健康増進を祈願したのでした。

hana3 端午の節句⇒子供(男の子)の日

  ① 平安時代

日本でも平安時代には五つの節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)が取り入れられ、当時五節句は貴族の間では、それぞれ季節の節目の身のけがれを祓う大切な行事として、よもぎ・菖蒲などの薬草を摘みに野に出て、その薬草を臣下に配ったり、悪鬼を退治する為に午から弓矢を射たりしたそうです。

 菖蒲

  ② 鎌倉時代

古来おこなわれていた宮廷での端午の行事も、時が鎌倉時代の武家政治ヘと移り変わってゆくにつれ、だんだんと廃れてきました。しかし、武士のあいだでは尚武(しょうぶ=武をたっとぶ)の気風が強く、「菖蒲」と「尚武」をかけて、端午の節句を尚武の節日として盛んに祝うようになったのです。

  ③ 江戸時代

やがて江戸時代にはいると、5月5日は徳川幕府の重要な式日に定められ、大名や旗本が、式服で江戸城に参り、将軍にお祝いを奉じるようになりました。また、将軍に男の子が生まれると、表御殿の玄関前に馬印(うましるし)や幟(のぼり)を立てて祝いました。

やがて、これが武家に広がり、男の子が生まれた印として幟を立てるようになります。
そんな武家を見習い、江戸庶民の間で鯉の滝登りで立身出世のシンボルとなった鯉を幟にするアイデアがうまれました。




こうして武家の幟に対して、町人の間で鯉幟(こいのぼり)が揚げられるようになり、端午の節句に欠かせないものとなりました。

このような時代の変遷のなかで、薬草を摘んで邪気をはらうという端午の行事が、男の子の誕生の祝いへと結びついていったと考えられます。

Posted by 安儀製餡所 at 20:19 安儀通信コメント(0)
onpu2 前回、リチャード・トンプソンについて書いた割には貼った動画がボニー・レイットとのデュオでリチャード・トンプソンの唄もギターもほとんど出てこなかったので別の曲を改めて取り上げます。

彼がフェアポート・コンベンションを脱退して初のソロアルバム『Henry the Human fly』、から① 『Roll Over Vaughan Williams』 と ② 『The Angels Took My Racehorse Away』 、③ 『The old changing way』

①は間奏のジグ風のギター・ソロが印象的です。

②はイントロに流れる ジョン・カークパトリック のアコーディオンが新鮮です。この当時ロックでアコーディオンが使われることはThe Bandを除いてほとんどありませんでした。(まあ、今もありませんが!)サンディ・デニーとともに後に結婚するリンダ・ピーターズもコーラスで参加しています。

③はトラッド風のメロディが美しい曲です。



Gentle ladies, gentle men
Waiting till the dance begin
Carefully we come to speak the word for all to hear
If you listen, if you should
We won't be misunderstood
But don't expect the words to ring too sweetly on the ear
Live in fear, live in fear, live in fear

In the gutter, in the street
Off his head or off his feet
Listen to the scratchy voices eating at your nerves
Pencil ready, paper dry
Shoot the girls and make them cry
Run for cover, things are bad but now they're getting worse
Live in fear, live in fear, live in fear, live in fear

Is it painful, is it right?
Does it keep you warm at night?
Fool your friends and fool yourself, the choice is crystal clear
If you break it on your knee
Better men might disagree
Do you laugh or do you stick your finger in your ear?
Live in fear, live in fear, live in fear, live in fear





Posted by 安儀製餡所 at 09:02 Down South in Osakaコメント(0)

真夜中のオアシス

2012年04月14日
icon06 ローソンのオリジナルデザートブランド「Uchi Cafe SWEETS」より、和菓子を扱った新シリーズ“あんこや”が 3月17日(土)より各店舗でシリーズ商品が発売されました。

商品についてのコメントは、差し控えますが、TVのCMで“あんこや”と頻繁に連呼されるのは初めてですので、なにか照れくさい感じがします。(お分かりだと思いますが、弊社とは全く関係はありません)

onpu2 ところでコンビニと言えば、先日、日本最大手のコンビニに入ると聞き覚えのあるメロディが流れていました。

なんと 「真夜中のオアシス」 がBGMで流れていました(もちろんオリジナルではありません)。

どういう経緯でこの曲が使われたのかは知りませんが(たぶんコンビニは私達にとってオアシスだというところでしょう)思わず一緒に唄いそうになりました。

軽やかで、それでいてどこか官能的な マリア・マルダー の歌声、そしてこの曲のハイライトとも言える(マリア・マルダーには申し訳ないですが!) エイモス・ギャレット のギター・ソロ。

フィンガー・ピッキングの特徴を生かしたこのギター・ソロは 『実はギターのチューニングを半音下げている』 とエイモス・ギャレットが雑誌のインタビューで答えていました。





Midnight at the oasis
Send your camel to bed
Shadows paintin' our faces
Traces of romance in our heads

Heaven's holdin' a half-moon
Shinin' just for us
Let's slip off to a sand dune, real soon
And kick up a little dust

Come on, Cactus is our friend
He'll point out the way
Come on, 'til the evenin' ends
'Til the evenin' ends

You don't have to answer
There's no need to speak
I'll be your belly dancer, prancer
And you can be my sheik

[Instrumental Interlude]

I know your Daddy's a sultan
A nomad known to all
With fifty girls to attend him, they all send him
Jump at his beck and call

But you won't need no harem, honey
When I'm by your side
And you won't need no camel, no no
When I take you for a ride

Come on, Cactus is our friend
He'll point out the way
Come on, 'til the evenin' ends
'Til the evenin' ends

Midnight at the oasis
Send your camel to bed
Got shadows paintin' our faces
And traces of romance in our heads

Oh, come on...

Posted by 安儀製餡所 at 21:18 Down South in Osakaコメント(0)
onpu2 2012年4月11日(水)ビルボードライブ大阪、今日です。リチャード・トンプソンはいまや日本ではWeek End Sunshine
でしか オン・エアーされることはないようです。

onpu2 ソロ・アコースティック・パフォーマンスということですので、20年ほど前の初来日と同じです。幸いにも私は観ることができました。確か懐かしい『バナナホール』だったと思います。

この時は、半信半疑アコースティック・ギター一本でシンガー・ソングライターみたいな感じでやるのかなあ?と思っていたら、いざコンサートが始まったら、そのパフォーマンスに圧倒されました。

アコースティック・ギター一本でロックンロールからトラッドまで、縦横無尽に演奏していきました。

onpu2 この頃、リチャード・トンプソンに関して一種の都市伝説みたいな話を知り合いから聞かされました。

実は彼が 「イーグルスに参加したかもしれない。」というものです。

 「当時イーグルスは、ファーストとセカンド・アルバムはなぜかロンドンでレコーディングしており、この時プロデューサーの
グリン・ジョーンズがリチャード・トンプソンと旧知の間柄でイーグルスに参加するよう勧めた。もしこれが実現していたら、70年代の音楽シーンは全然変わっていたはずだ。」

今から思えばお互いに賢明な選択をしたと言えます。

onpu2 Bonnie Raitt & Richard Thompson - Dimming of the Day




This old house is falling down around my ears
Im drowning in the river of my tears
When all my will is gone you hold me sway
I need you at the dimming of the day

You pulled me like the moon pulls on the tide
You know just where I keep my better side

What days have come to keep us far apart
A broken promise or a broken heart
Now all the bonny birds have wheeled away
I need you at the dimming of the day

Come the night youre only what I want
Come the night you could be my confidant

I see you on the street in company
Why dont you come and ease your mind with me
Im living for the night we steal away
I need you at the dimming of the day
I need you at the dimming of the day

Posted by 安儀製餡所 at 20:27 Down South in Osakaコメント(0)

柏餅(かしわもち)

2012年04月08日
icon06 さて、桜の季節も過ぎ、いよいよ風薫五月ということになれば、 『柏餅』 の季節です。



face01 柏餅とは

柏餅は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんでカシワ(注:下記face01 柏餅の葉 参照)又はサルトリイバラの葉などで包んだ和菓子である。餡の種類は、つぶあん、こしあんのほか、みそあんがポピュラーである。(ウィキペディアより)

ということですが、泉州では一般的に柏餅といえば 『こしあん』 です。

また、よもぎ生地の柏餅には 『つぶあん』 が使われていることが多いようです。



 『みそあん』 に至っては食べたこともありません。

みそあんは砂糖利用以前の古い調理法の名残で、原型を平安時代の「葩餅(はなびらもち)」にまでたどることができるとも云われています。

柏餅を包む、柏葉の表を内側に包むのは、あんの柏餅で、葉の表を外側に包むのはみそとする区別が多いですが、みそあんの柏餅と見分けがつくように生地がピンク色になっている場合が多いようです。


 無料イラスト/素材のデザインバンク

「中部・九州など味噌餡が存在しない地域もある。」とありますが、近畿地方でも京都以外では見かけないように思うのですが。


face01  柏餅の由来

5月5日の端午の節句の供物として用いられる。カシワの葉(注:下記face01 柏餅の葉 参照)は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされる。

元々は東日本の文化の中で育まれたものであり、柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重(在位1745年~1760年)十代将軍家治(在位1760年~1786年)のころ。参勤交代で全国に行き渡ったとされている。(ウィキペディアより)

このあたりのことは歌舞伎座メールマガジン江戸食文化紀行
http://www.kabuki-za.com/syoku/bkindex.html
 NO.35 、 NO.60 に詳しく説明されています。

享保の改革と寛政の改革という厳しい時代の間、田沼意次の文化に対する締め付けの緩い時代に生まれたのは偶然ではないような気がします。

寛政の改革の頃は  高橋 克彦著 『だましゑ歌麿 』 では、幕府から和菓子屋に対しても随分厳しい締め付けがあったように書かれていました。

face01 柏餅の葉

『かしわ」は古くは、食物を包んだり、覆ったりした植物の葉の総称で、「炊葉(かしぎば)」の転じた語ではないかと言われています。

「柏」の字は本来はヒノキ科の針葉樹コノテガシワを指す漢字で、コノテガシワは柏餅に使う葉とは全く異なる。柏餅に用いるブナ科のカシワには、厳密には「槲」の字を使うのが正しい。

 コノテガシワ

 ブナ科カシワ

四国地方などの近畿圏以西では、カシワの木が自生しておらず、元々端午の節句にはちまきを用いるため、サルトリイバラ科(サンキライ)の葉を代用して作られることが多い。地方により名称が異なる場合もある。

一般に包んでいる葉は食べない。(ウィキペディアより)


face01 上新粉とは

それでは、柏餅の生地に使われている 上新粉 とは、どうゆうものでしょうが?

上新粉(上糝粉、じょうしんこ)は、うるち米 を加工した粉である。元々の表記は上糝粉。

精白した うるち米 を洗って乾燥させた後、少量の水を加えて製粉してふるいわけしたもので、主に製菓材料として使用する。非加熱の材料であり、製品にするには加熱の過程が必要となる。

目の粗いものを 新粉(糝粉、しんこ)・並新粉(並糝粉)、細かいものを 上新粉(上糝)粉、更に細かいものを 上用粉(じょうようこ)という。用途は以下の通り。

 新粉  団子・すあま等

  上新粉 団子・柏餅・ういろう等

☆ 上用粉 薯蕷饅頭に配合。薯蕷粉(じょうよこ)とも云う(ウィキペディアより)

 団子


 ういろう

face01 最近の柏餅

 二つ折りではなく、生地の中に餡を包んでいます。

 昔は生地には上新粉のみを使っていたようですが、近年はこれに白玉粉を加えるのが、一般的なようです。

face01 白玉粉とは

もち米 を水洗後、水に浸してから水切りし、水を加えながら挽く。その乳液をふるいにかけ、沈殿したものを圧搾脱水し、天日乾燥させたもの。白玉団子などの材料に用いられる。粉の粒子が小さいので、出来上がった白玉はつるりとした食感となる。(ウィキペディアより)

face01 白玉粉を混ぜる効果

白玉粉を混ぜることによって、従来の上新粉が持っている歯ごたえの強さに粘りが加わった生地ができるといえます。



face01 上新粉や白玉粉などの米粉についてはいずれまた書いてみたいと思います。

Posted by 安儀製餡所 at 23:23 あんこ豆知識コメント(0)
icon06 さて、桜餅を作ってみましょう。

此処ではもちろん関西で一般的な道明寺で あんこ は、泉州で一般的な こしあん を使用します。



face01 用意するもの   10個分

道明寺粉      150g  
お湯         220cc 
砂糖          15g 
食紅          少々(耳かき1杯程度)
こしあん       150g
桜の葉        10枚 

face01 作りかた

① 大きめの耐熱容器に定量のお湯を入れ、溶かして食紅を加え、よく混ぜて色づけをしてから、砂糖を加えて溶かす。

  

② ①に道明寺粉を入れてかき混ぜ、ラップをしてレンジ(強)で、約6分加熱し、ラップを取らずに約10分蒸らす。



③ 15gのあん玉を10個作る。

  

④ ボウルに水をため、桜の葉を10分ほど入れておいて塩抜きする。

⑤ ②の蒸らしたものを軽く混ぜ、10等分する。一つを手にとって、広げ、あん を中に入れて包む。生地をまるめる際には、水と砂糖を1:1で作った手水をつけると手に生地がくっつきません。



⑥ 桜の葉で⑤ を包む。
  

Posted by 安儀製餡所 at 20:03 あんこの楽しみ方コメント(0)

アフリカの月

2012年04月01日
4月の声を聞くと 西岡恭蔵さんとKUROちゃん御夫婦のことがやはり思いだされます。



この曲は、西岡恭蔵さんとKUROちゃん御夫婦が初めて一緒に創った唄として有名です。

大塚まさじさん(初のソロアルバムに入っていました)、カルメン・マキさん、金子マリさんも唄ってられます。 





Posted by 安儀製餡所 at 21:22 Down South in Osakaコメント(0)

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