賞味期限について 3

2012年02月28日
賞味期限を今後どうすればよいか、私なりの考えをかいてみたいと思います。

その前に前回までの内容を簡単にまとめてみます。

Ⅰ 賞味期限の実態を掴むのは困難であり、どうしても実態より過少に表記される。結果食べられるものがゴミとなって処分

   されてしまう。またそれに抵抗感を覚えて賞味期限の偽装となるケースがある。

Ⅱ マスコミの認識不足が事態を混乱させる。

対策

賞味期限を廃止し全て消費期限とする。

 つまり’おいしく食べられる期間’などという曖昧で主観的なものでなく,極端に言えば ’いつから腐りだすか?’ を明確にす

るのです。おいしく食べられる期間を正確に掴むことなど不可能です。

消費期限のガイドラインを政府が制定する。

 消費期限を各食品メーカーが設定することなど我々零細企業には無理な話です。

それに対し政府には経済産業省、農林水産省、消費者庁と三つも関連する省庁があるのです。

どこかが責任を持って ’食品が食べられなくなる期日’ を示してほしいものです。

 ’おいしく食べられる期間’ については、ほっておいてくれて結構です。

各メーカーがこれ以上並べていても味が落ちて自社にとってマイナスになると判断すれば勝手に商品を処分します。ただそ

れを現行のように賞味期限という形で厳密に期限を切って行えば、食品のゴミを増加させ、また前回書いたように認識不足

のマスコミが不必要な混乱を引き起こします。

正しい情報を一般消費者、マスコミに対し政府が責任を持って浸透させる。

マスコミについては責任は彼らの勉強不足にあることは明白ですが、彼らは世論を左右する力を持っています。

私たちのような零細企業は彼らの記事一つで簡単に潰れてしまいます。

したがって政府からマスコミに対し正しい知識を指導してもらいたいものです。

また一般消費者に対しても全くPR不足で誤解を招いているのが現状です。



以上が私の見解です。反論やもっと優れたご意見もあるでしょうが,先ずは参考までに。

Posted by 安儀製餡所 at 21:03 賞味期限コメント(0)
あんこのことばかり書いていて、少々飽きてきましたので少し別の話題でも。


個人的な感想なので別のカテゴリーとします。

タイトルの Down South in Osaka というのも70年代初頭という感じで照れくさいのですが (Down  South in 

 Neworleans のパクリです)、まあ '泉州だより’ でもないと思いますので。

さて大阪府知事選についてすこしばかり私の思うところを書いてみます。

さまざまなご意見、反論もおありでしょうが、あくまでも個人的な見解ですので何卒ご容赦のほどを。

市長選に比べ比較的地味に映った知事選でしたが、松井氏が知事となりました。

この結果を泉州の住民は非常に喜んでいるのではないでしょうか!


 それは「大阪都構想」がどうのこうのではなく、「元池田市長」が大阪府知事になることにNo Thank You だったのです。

泉州の住民としては「関西空港」の振興こそがいまや生命線といって過言ではありません。


故郷の山を削り、海を埋め立てわざわざ作った空港ですがいまひとつパッとしません。このままだと関空に飛んでくるのは

閑古鳥だけになってしまいます。


 その一番の原因は伊丹空港を存続させたことです。 元々は関空の開港と引き換えに伊丹空港は廃止するという約束で

した。 その存続理由も、あほらしくて語るに足らないものでした。そして、そのうえ「神戸空港」まで建設したのです。


またマスメディアによる関空に対するネガティブ・キャンペーンもありました。関西空港が大阪市内から遠いことなど最初から

わかっていることです。それに伊丹空港がそんなに利便性がよいでしょうか?タクシーを使う芸能人やマスコミ関係者にとっ

て大阪市内からだと利便性がよいでしょうが、我々一般人にとって伊丹空港は決して利便性はよくありません。

考えてみてください。

 空港に乗り入れている公共交通機関はバスだけなのです。

以上の出鱈目な航空行政に対し伊丹、神戸の廃港というまともな方針を示したのは元大阪府知事だけでした。


私たちとしては伊丹空港の地元である元池田市長が大阪府知事になったら、いったいどうなる事か不安でした。


一方マスメディアの対応も全くひどいものでした。今回の選挙は「大阪都構想」の Single Issue  でありそれ以外の判断基

準は存在しないというのが、東京の方の論調でした。



東京のコメンテーターやある精神科医は維新の会の政策は弱者切り捨てと批判していましたが、この人たちは私たちのこと

は全く無視したわけです。地域エゴという批判もあるでしょうが今回の選挙はあくまでも地方自治体の首長を選ぶものであ

り、少なくともここでは自分たちにとって何が大切かということを優先した結果と言えるでしょう。





Posted by 安儀製餡所 at 20:52 Down South in Osakaコメント(0)

賞味期限について 2

2012年02月27日
今回は賞味期限の続きについて書いていきたいと思います。

その前に以下の記事が新聞に載っていたのをご存知でしょうか?


2012年2月 2日
JR西日本は2日、大雪の影響でJR北陸線武生駅(福井県越前市)に停車していた
特急の乗客に、賞味期限を1週間過ぎた栄養食品143箱(1箱2本入り)を配ったと発表した。

一部の乗客は食べたが、体調不良などの報告はないという。
同社によると、2日午前10時20分頃、和倉温泉発大阪行き特急
「サンダーバード12号」(乗客約170人)が1時間遅れで同駅に到着。
除雪作業で出発できなかったため、正午頃、駅員が災害に備え、備蓄していた栄養食品を配った。

約40分後、賞味期限が1月26日だったことに同駅員が気付き、
すでに出発していた特急が次に停車する敦賀駅に連絡。
未開封の62箱を回収したが、81箱は乗客が食べた後だった。

(2012年2月2日20時12分 読売新聞)

これに対しJR側は次のように謝罪しています。

北陸本線武生駅 賞味期限を過ぎた非常食を配布した事象について


 平成24年2月2日12時頃、大雪のため北陸本線武生駅でサンダーバード12号乗車中のお客様に対して配布した非常食の賞味期限が過ぎていたことが判明しましたので、お知らせいたします。
 お客様に、多大なご迷惑をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。今後、同じような事象を発生させないよう、再発防止に努めてまいります。

 配布した経緯

 平成24年2月2日12時頃に、大雪の影響で武生駅に停車中のサンダーバード12号に乗車中のお客様に非常食の配布を行ったところ、賞味期限を約1週間(平成24年1月26日)過ぎているものを143個配布していたことが判明しました。
 配布してから約40分後に賞味期限を過ぎていることに武生駅社員が気付き、当該列車が停車している敦賀駅に連絡し、敦賀駅社員が13時過ぎからお客様にお詫びし62個を回収いたしました。



これなどは賞味期限に対する知識がマスコミに全くないことを端的に表しています。前回でも触れましたように賞味期限とは "おいしく食べられる期間” (これも曖昧ですが!) を示しているのであり、別に腐ったものではないのです。

非常時にJR側が取った対策としては問題は全くありません。むしろこのようなことを大袈裟に騒ぎたてるマスコミ側の認識不足が日本で食品のゴミを増加させているのです。



Posted by 安儀製餡所 at 20:13 賞味期限コメント(0)
岸和田方面のみなさまへ

今までご不自由をかけましたが、泉佐野まで足を運んでいただく必要が無くなりました。

泉州卸売団地内の 藤原穀粉株式会社 弊社のあんこ(1kg単位)を販売いたします。

藤原穀粉 株式会社
取締役社長 藤原 龍平
大阪府岸和田市土生町4132 泉州卸売団地C6
TEL : 072-422-0758
FAX : 072-422-4920
MAIL : beans.fujiwara@globe.ocn.ne.jp

● i タウンページ
http://nttbj.itp.ne.jp/0724220758/index.html

● 岸和田商工会議所
http://www.kishiwada-cci.or.jp/navigation1/yakuin/oroshi/fujiwara_kokuhun.html

是非とも、ご利用賜わりますようお願い申しあげます。

Posted by 安儀製餡所 at 15:07 安儀通信コメント(0)

手亡豆について 

2012年02月23日
さて今回は 手亡豆 のことを簡単に説明します。



face01 手亡豆と白あん

前回の白小豆の項では手亡豆のことを風味に乏しいとかまるで役に立たない豆のように書いていましたが、
決してそのようなことはありません。

世界に誇る日本の和菓子職人の技を裏で支えてきたのが手亡豆です。

手亡豆は色が白く、粘りがあるので手亡豆で作った白あんは、上生菓子を作るときに必要な 練り切りあん に最適です。


face01 練り切りあん

 練り切りあんとは白あんに砂糖を加え、やまのいも・みじん粉(注)などのつなぎを加えて練ったあんのことです。
そして、これを着色して季節折々の繊細な細工を施し、祝儀や茶席などに用いる上生菓子、ほかの菓子の生地としても用います。


みじん粉(注);寒梅粉とも呼ばれ、もち米を水洗いし水漬け後、蒸して餅にします。これを色がつかないように焼き上げて粉末状にしたものです。

皆さんが和菓子というと一番に思い浮かべる繊細で美しいお饅頭が上生菓子です。

    


face01 つぶあん

 また手亡豆はつぶあんとしてもおいしく、三笠や大判焼き(回転焼き)にもつかわれています。


大判焼きてぼ

つまり最高級の上生菓子から庶民的な大判焼きまで非常に守備範囲の広い豆といえます。










Posted by 安儀製餡所 at 14:54 あんこ豆知識コメント(0)
今回は こしあんと豆ペースト でふれた 豆皮 について少し説明したいと思います。

生あん(こしあん)を製造する際に豆皮が食品残渣として発生します。残渣とは濾過(ろか)したあとなどに残ったかすのことで文字通り豆皮がこれにあたります。

今のところ豆皮の処理方法としては次のものがあります。

① 飼料化
② 肥料化
③ 餡に混ぜる
④ 焼却処理
⑤ バイオマス原料

以下はそれぞれの問題点を考えてみます。

① 飼料化
現在日本では食品残渣を飼料化することが求められています。

その背景には

日本国内の飼料穀物はそのほとんどを輸入に依存している状況下にある一方、食品製造業、食品流通業、外食産業等からは食品製造副産物、余剰食品、調理加工残さ等が大量に廃棄され、その多くは焼却処理されていることが挙げられます。

これらの背景と地球環境問題や資源の有効活用の面から、食品残渣を飼料化していくことが求められているのです。

しかしながら、飼料化には次のような問題があります。

食品残渣飼料はその原料となる食品残渣の水分含有量が多く、常温では腐敗や臭気の発生等の危惧があるため、様々な
技術によって脱水し飼料化が取り組まれているのですが、それが高コストとなりその上保管、輸送にもコストがかかることから結果的に焼却処理されているのが実情です。

② 肥料化

次に食品残渣の処理として肥料化が考えられます。

肥料化にもさまざまな問題があります。まず食品残渣(豆皮)を肥料にするまで時間がかかることです。そしてその間臭気の発生が起こります。したがって肥料になるまで保管しておく広い土地と臭気の発生が問題とならないよう周りに住宅がないことが必要となります。そしてそのような施設の場合、輸送コストが高くつくのが現状です。

よって①, ②とも下のような関係になっており、結果焼却処理されることが多くなります。

食品残渣の脱水にかかるコスト、保管コスト、輸送コスト-食品残渣から得られる利益 > 焼却コスト

このような状況から残念ながら ③ を選択するところもあります。

弊社でも、以前は飼料化、肥料化を時期に応じて実行しましたが、保存や輸送にコストがかさむことから焼却処理していることが大半でした。

しかし現在は幸いにも、食品残渣(豆皮)は脱水後、キノコの菌床栽培(きんしょうさいばい)を行っている食品会社が菌床用に全量引き取っています。したがって食品残渣は現在は発生していません。

菌床栽培(きんしょうさいばい)とは、菌床(オガクズなどの木質基材に米糠などの栄養源を混ぜた人工の培地)でキノコを栽培する方法です。


脱水処理し菌床として使われる豆皮

⑤については今のところ夢物語です。

つまり現状は事業所の近くに飼料化、肥料化に適した飼育場、農場がない限り焼却処理されていきます。あるいは豆皮を磨り潰してあんに混ぜられています。

私としては、エコ好きの’あほな’政治家が「あんこは、つぶあんしか作らせない!」という法律を作らないことを願うばかりです。半分は冗談ですが、経験ではなく歴史から判断するのであれば、人類は「禁酒法」や「生類憐みの令」という悪法を生んできたわけですから。




Posted by 安儀製餡所 at 19:00 あんこ豆知識コメント(0)
まだまだ寒い日が続きますが、こんな時は善哉(ぜんざい)で温まるというのはいかがでしょうか?



屋外でのスポーツ、野球やサッカーの練習の後で、子供たちに振舞ってあげればきっと喜ばれます。

用意するものは
つぶあん、水、お餅だけです。


材料 (7~8人分)
  
   つぶあん       500g

   水(お湯)       300~350cc(つぶあんの60%位)

   お餅          7~8個


①お鍋につぶあんと水(お湯の場合は若干少なめ〉を入れ弱火~中火にかける。






②お餅を焼く、大量に必要な時、あるいは面倒な時はお餅を茹でる。

③①が少し泡立ってきたら味見をして(甘ければお湯を足してください)火を止める。



④お椀にお餅を入れて③をかける





ヴァレンタインの狂騒も済んで、チョコレートを食べ飽きた方も多いと思います。

弊社のつぶあんは市販のつぶあんより糖度が低いので水の量が少ないと思いますが、お好みにより加減して下さい。

ご家庭で小豆を茹でるのも大変だと思いますから、ぜひ弊社のつぶあんをご利用ください。

Posted by 安儀製餡所 at 14:13 あんこの楽しみ方コメント(0)
白小豆について の記事に竹小豆の写真を追加します。

ぜひご覧ください。

Posted by 安儀製餡所 at 23:11 あんこ豆知識コメント(0)
泉州銘菓 村雨 (むらさめ の記事に写真を追加しました。

ぜひご覧ください。
Posted by 安儀製餡所 at 14:59 泉州銘菓 村雨 (むらさめ) コメント(0)

村上海賊の娘

2012年02月16日
あんこか、それに関連する記事ばかり書いていたので、ここでは少し別の話題を。

現在週刊新潮に連載中の和田竜 作 『村上海賊の娘』は戦国時代後期の石山合戦の頃の泉州が登場します。

主人公の村上水軍総帥の娘 景というのも現代的で爽快です。また村上水軍や九鬼水軍だけでなく泉州に水軍(海賊)

があったことを初めて知りました。この中心人物である「眞鍋七五三兵衛(しめのひょうえ)」も痛快で、

まさに「租にして野だが,卑ではない」という人物で、後に有名な「鈴木(雑賀)孫一」と戦うことになるようですが今から楽し

みです。

それにしても泉州弁が活字になると何か妙な感じがします。

Posted by 安儀製餡所 at 00:09 本棚コメント(0)
くるみ餅とくるみあん の記事に ずんだ餅の写真を添付しました。

ぜひご覧ください。

Posted by 安儀製餡所 at 21:21 あんこ豆知識コメント(1)

賞味期限について 1

2012年02月13日
 

 
 今回は賞味期限について食品にかかわる零細企業の立場から少し考えを書いてみたいと思います。

 さて、皆さんは賞味期限をどのように考えているでしょうか?

賞味期限というのは農林水産省か経済産業省あるいは消費者庁が科学的に算定したものである。
したがって賞味期限を1時間でも越えれば食品は腐りだす。

 一時期マスコミで騒がれた賞味期限の偽装はこのようなスタンスで糾弾されていたのではないでしょうか?

  賞味期限は食品衛生法やJAS法で定められている所の「 その食品を開封せず正しく保存した場合に味と品質が充分に保てると製造業者が認める期間(期限) 」であり、食品である以上、求められる衛生面での安全性や、味・風味などの機能が維持される期限であると定義されています。

つまり、賞味期限の決定は各食品メーカーに任せられているのであって、政府からのガイドラインに沿って決められているのではないのです。

しかも、実際は私の思うところ賞味期限は現実的には在庫管理の目標値です。

そもそも賞味期限はなぜ必要になったのでしょう。

賞味期限は外圧によって必要になったのです。

経緯を簡単に説明しますと

 
 .食のグローバリゼーション(国際的な食品流通)の進展に伴い、賞味期限の記載が一般的な諸外国から、「製造年月日の表示は、自由貿易への障害である」との外圧があったこと 。言い換えると輸入食品は製造年月日の表示だと輸送期間があるため国産品と比べ競争上不利であるということです。外圧への反発意識があった一方、食品添加物を使っているために鮮度保持が容易で賞味期限が長く設定し易い商品と、そのような食品添加物を含まないために賞味期限が短く設定されている商品の区別がつけがたいという意識もあったことも否めません。

このような問題に対応する形で、1995年(平成7年)に賞味期限の表示に移行されました


そもそも賞味期限とは、05年に統一された食品衛生法ですが、賞味期限の決定は各食品メーカーに任せられているのが現状で、一般的には次の3つの検査を行った上で決められています。
菌の繁殖などを調べる微生物検査。

濁りや粘り、色や酸化などを調べる理化学検査。

実際に食べてみた食感や味、臭いなどを評価する感応検査。
このように、これまでは賞味期限に関して明確な基準はなく、各食品メーカーに任せ切りでした。

一方、賞味期限が必要以上に短いと、大量の食品廃棄の一因になるとの指摘もある。実際に農水省の調査によれば、07年度の食品廃棄などの年間発生量は、1134万t余りに上ると言うということです。


次に以下に示すのは、賞味期限が経過してなお所定の状態で保存し続けた場合の状態変化です。

前述の通り賞味期限は製品としての風味が保証される期限で、これの経過後に直ちに喫食に適さない状態になる訳ではない。

衛生さえ問題なければ食べられないこともない場合もある。この状態変化は、賞味期限内でも保管状況によって程度の差こそあれ常に進行している状態変化で、賞味期限を大きく過ぎると問題が顕著化するが、保存状態が悪いと賞味期限内でも発生しうる状態でもある。

なお農林水産省と厚生労働省はごみ問題にも関連して、賞味期限経過直後の食品は直ちに捨てるのではなく、出来る限り劣化しないうちに食べてしまうことを勧めている。

  続きを読む

Posted by 安儀製餡所 at 21:13 賞味期限コメント(0)
 村雨 (むらさめ)という和菓子をご存知でしょうか?

上方落語の七度狐に出てくる安物の酒ではありません。泉州で昔から親しまれている和菓子で、これも上方落語でお馴染みの食野(めしの)長者が好んだという言い伝えもあります。


村雨(赤)

 生あんと砂糖、上新粉、糯粉を素早く混ぜ合わせ、それを型に入れて蒸籠(せいろ)で蒸し上げます。ですから見た目がよく似ていても高麗餅と製法が大分違います。高麗餅は先に生あんと砂糖を練り上げ火どりあんにしそれを裏ごしして粉と混ぜ合わせます。一方村雨(むらさめ)は生あんをそのまま使うためその品質と、混ぜ合わせを素早く丁寧にすることがポイントになります。

 村雨(むらさめ)は岸和田と泉佐野では粉とあんの配合が違うことにより食感、味が異なっています。また以前は小豆を使った赤い村雨(むらさめ)がほとんどでしたが、最近は白豆を使った白い村雨(むらさめ)をだす店も増えてきました。



村雨(白)


 この「村雨(むらさめ)」という名前は大阪府貝塚市の 「御菓子司 塩五」というお店のものだそうです。したがって他のお店では「~時雨(しぐれ)」という表示になっています。でもあまりにも一般的なのでどのお店でも「村雨(むらさめ)」で通じます。

 いずれにしてもその製造は手作業によるところが大きく、そのお店独自の味が楽しめます。ぜひ一度ご賞味ください。



Posted by 安儀製餡所 at 18:50 泉州銘菓 村雨 (むらさめ) コメント(0)

こしあんと豆ペースト

2012年02月09日
 

現在でこそ,あんこ屋もいろいろな種類のあんこを作るようになりましたが、元々は和菓子屋さんが生あん(こしあん)を作るのが非常に手間がかかり大変だったため、生あん作りだけを代行することからスタートしました。

弊社では次のような伝統的な製造方法で生あん(こしあん)を製造しています。

①豆からあん粒子がこぼれないよう (こぼれた状態を豆が腹切れしているという) 煮豆するとともに豆の煮汁を丁寧に排出する。 

 
②煮豆から豆皮とあん粒子を完全に分離する。

③あん粒子を冷水に晒し攪拌し、上水(うわみず)と一緒に不純物を捨てあん粒子のみを抽出する。

④あん粒子を含水率(あんに含まれる水分の割合)約60%まで脱水する。

⑤脱水されたあんを粉砕する。(生あんの完成)

⑥生あんに砂糖、水あめを加え加熱する。

この伝統的な製法には次の問題点があります。

①晒しに大量の水を必要とする。

②食品残渣としてでる豆皮を処分しなければならない。

一方あんの中には豆を釜の中でぐたぐたに煮込み豆皮ごとすり潰して、まるで豆ペーストのようにし、これに味付けしたものもあります。
このような製法で作られたあんは、色が黒く食べても舌触りが悪く、苦味が残るものさえあります。
もちろん、この製法にも利点はあります。つまり水があまり必要でないし、豆皮もあまり出ません。ですから製造コストも安くなります。


しかし私としてはお客様に豆皮を食べてもらうのは気が進みません。豆皮に栄養があるという意見もありますが、それならば、つぶあんを食べればよいことです。

次の機会では伝統的な製法の問題点についてお話したいと思います。
Posted by 安儀製餡所 at 22:22 あんこ豆知識コメント(0)

糖度と賞味期限の関係

2012年02月08日
 ここでは くるみ餅とくるみあん で少しふれた糖度と賞味期限の関係について簡単に説明したいと思います。

その前に糖度と密接な関係にある水分活性(すいぶんかっせい)について説明します。

水分活性(すいぶんかっせい)とは食品中の自由水の割合を表す数値で食品の保存性の指標とされる。

食品中にはタンパク質、炭水化物等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれている。 食品中で微生物が繁殖するには適切な量の自由水が存在することが不可欠であり、食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖を抑制できる。 微生物の種別により繁殖可能な水分活性は様々であるが、一般的な食中毒菌で概ね0.900以上、乾燥や塩分に耐性を持つものでも0.800以上とされ、0.600以下になれば全ての微生物は繁殖が不可能になる。 水分活性を低下させる手法としては一般に以下のような方法が用いられる。

食品に塩分、糖分などを溶解させる事により自由水の比率を下げる。(塩漬け、砂糖漬け等
食品の水分そのものを除去する(乾燥食品、燻製、干物等)

つまり糖度が高いということは、それだけ水分活性が低くなり、腐りにくく、賞味期限も長くなるということです。

言い換えると砂糖は天然の保存剤ということになります。

以下は余談ですが、この水分活性が「モナ.リザ」や「ダヴィデ像」を生んだともいえます。

東方貿易で栄えた中世イタリアの都市がルネサンスを生むわけですが、その主要な輸入品の一つが肉の保存に必要な香辛料でした。香辛料を使って肉の水分活性を下げたわけです。また北方健三氏の「水滸伝」でも梁山泊を支える経済的な基盤は「塩の道」でした。

水分活性の力は偉大であるということです。



Posted by 安儀製餡所 at 22:20 賞味期限コメント(0)

白小豆について

2012年02月08日
今回は白小豆について書いてみたいと思います。

まず皆さんは小豆は赤いものに決まっているとお考えでしょう。

以前は「赤いダイヤ」とも呼ばれ、実際国内で生産されている99%は赤い小豆です。

しかし、白小豆のように白いものや竹小豆のように薄緑色(赤竹小豆を除く)をしたものも存在します。(99%と書きましたが、実は白小豆は正確な生産統計が存在しないので私の推測です。)


白小豆                 竹小豆

主な生産地域は北海道、岡山、兵庫、栃木県ですが、以前検索しているとオーストラリアというのもありました。

ブランドとしては備中白小豆と呼ばれる岡山産のものが有名で以前は弊社でも使っていたのですが、あまりにも価格の変動が激しく、いまは生産量が圧倒的に多く、価格も安定している北海道産を使用しています。

白小豆の特色としては、白い色(黄白色)をしているが、、食べた時の味はしっかりと小豆独特の風味ある味をしていることです。 

あんこでは白餡の原料には「手亡」をよく用いますが、手亡の白餡はさっぱりとして小豆に比べると風味に乏しいのが現実です。一方、この白小豆ならば、小豆の風味がしっかりと感じられ、尚且つ白いあんこに仕上がります。


手亡豆

問題点としては

希少で生産量が少ないため、価格が他の白い豆と比べ高価でしかも安定せず、時には信じられないぐらい高騰する。

本来が小豆の一種であるため白餡としてみた場合、色が白さの点で見劣りする(あんこの商品紹介 一般の方向け

 
以上の点を解消するために、白小豆と手亡をブレンドしている和菓子屋さんもあります。

また弊社では白小豆でをつぶあんを作っていますが、これも非常においしいですよ。


白小豆 つぶあん


Posted by 安儀製餡所 at 15:21 あんこ豆知識コメント(0)

冷蔵庫 室外機の入替

2012年02月05日
 はじめまして。ここでは、弊社での出来事や雑記を中心に書いていきたいと思います。

さて2012/1/28~29に冷蔵庫室外機の入替を行いました。今まで使っていた室外機は約21年不眠不休で働いてくれましたが、そろそろ寿命が来たようです。
 

新しい室外機になったことで弊社の今年の夏の電力消費量が少しでも減少し、節電に協力できることを期待したいと思います。


Posted by 安儀製餡所 at 17:30 安儀通信コメント(0)

あんトーストの作り方

2012年02月04日
 はじめまして。ここではご家庭で手軽に作れるあんこを使った食品を紹介していきたいと思います。

第一回目は、本当に簡単に作れて、しかもおいしいあんトーストです。関西ではあまり馴染みがないのですが、中部地方では、よく喫茶店でだされているようです。

 作り方はいたって簡単。まず

 ①食パンを焼き、焼きあがるとバターかマーガリンをぬり、バタートーストを作る。

 ②あんこ(ここではつぶあんがよい)適量を電子レンジで20秒ほど温める。

 ③トーストに②をぬれば完成です。

朝食のトーストがマンネリで飽きてきたならば、ぜひお試しください。

Posted by 安儀製餡所 at 21:22 あんこの楽しみ方コメント(0)

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