柏餅(かしわもち)

2012年04月08日
icon06 さて、桜の季節も過ぎ、いよいよ風薫五月ということになれば、 『柏餅』 の季節です。

柏餅(かしわもち)

face01 柏餅とは

柏餅は、平たく丸めた上新粉の餅を二つに折り、間に餡をはさんでカシワ(注:下記face01 柏餅の葉 参照)又はサルトリイバラの葉などで包んだ和菓子である。餡の種類は、つぶあん、こしあんのほか、みそあんがポピュラーである。(ウィキペディアより)

ということですが、泉州では一般的に柏餅といえば 『こしあん』 です。

また、よもぎ生地の柏餅には 『つぶあん』 が使われていることが多いようです。

柏餅(かしわもち)

 『みそあん』 に至っては食べたこともありません。

みそあんは砂糖利用以前の古い調理法の名残で、原型を平安時代の「葩餅(はなびらもち)」にまでたどることができるとも云われています。

柏餅を包む、柏葉の表を内側に包むのは、あんの柏餅で、葉の表を外側に包むのはみそとする区別が多いですが、みそあんの柏餅と見分けがつくように生地がピンク色になっている場合が多いようです。

柏餅(かしわもち)
 無料イラスト/素材のデザインバンク

「中部・九州など味噌餡が存在しない地域もある。」とありますが、近畿地方でも京都以外では見かけないように思うのですが。


face01  柏餅の由来

5月5日の端午の節句の供物として用いられる。カシワの葉(注:下記face01 柏餅の葉 参照)は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、「子孫繁栄(家系が途切れない)」という縁起をかついだものとされる。

元々は東日本の文化の中で育まれたものであり、柏餅が登場したのは徳川九代将軍家重(在位1745年~1760年)十代将軍家治(在位1760年~1786年)のころ。参勤交代で全国に行き渡ったとされている。(ウィキペディアより)

このあたりのことは歌舞伎座メールマガジン江戸食文化紀行
http://www.kabuki-za.com/syoku/bkindex.html
 NO.35 、 NO.60 に詳しく説明されています。

享保の改革と寛政の改革という厳しい時代の間、田沼意次の文化に対する締め付けの緩い時代に生まれたのは偶然ではないような気がします。

寛政の改革の頃は  高橋 克彦著 『だましゑ歌麿 』 では、幕府から和菓子屋に対しても随分厳しい締め付けがあったように書かれていました。

face01 柏餅の葉

『かしわ」は古くは、食物を包んだり、覆ったりした植物の葉の総称で、「炊葉(かしぎば)」の転じた語ではないかと言われています。

「柏」の字は本来はヒノキ科の針葉樹コノテガシワを指す漢字で、コノテガシワは柏餅に使う葉とは全く異なる。柏餅に用いるブナ科のカシワには、厳密には「槲」の字を使うのが正しい。

柏餅(かしわもち) コノテガシワ

柏餅(かしわもち) ブナ科カシワ

四国地方などの近畿圏以西では、カシワの木が自生しておらず、元々端午の節句にはちまきを用いるため、サルトリイバラ科(サンキライ)の葉を代用して作られることが多い。地方により名称が異なる場合もある。

一般に包んでいる葉は食べない。(ウィキペディアより)


face01 上新粉とは

それでは、柏餅の生地に使われている 上新粉 とは、どうゆうものでしょうが?

上新粉(上糝粉、じょうしんこ)は、うるち米 を加工した粉である。元々の表記は上糝粉。

精白した うるち米 を洗って乾燥させた後、少量の水を加えて製粉してふるいわけしたもので、主に製菓材料として使用する。非加熱の材料であり、製品にするには加熱の過程が必要となる。

目の粗いものを 新粉(糝粉、しんこ)・並新粉(並糝粉)、細かいものを 上新粉(上糝)粉、更に細かいものを 上用粉(じょうようこ)という。用途は以下の通り。

 新粉  団子・すあま等

  上新粉 団子・柏餅・ういろう等

☆ 上用粉 薯蕷饅頭に配合。薯蕷粉(じょうよこ)とも云う(ウィキペディアより)

柏餅(かしわもち) 団子


柏餅(かしわもち) ういろう

face01 最近の柏餅

 二つ折りではなく、生地の中に餡を包んでいます。

 昔は生地には上新粉のみを使っていたようですが、近年はこれに白玉粉を加えるのが、一般的なようです。

face01 白玉粉とは

もち米 を水洗後、水に浸してから水切りし、水を加えながら挽く。その乳液をふるいにかけ、沈殿したものを圧搾脱水し、天日乾燥させたもの。白玉団子などの材料に用いられる。粉の粒子が小さいので、出来上がった白玉はつるりとした食感となる。(ウィキペディアより)

face01 白玉粉を混ぜる効果

白玉粉を混ぜることによって、従来の上新粉が持っている歯ごたえの強さに粘りが加わった生地ができるといえます。



face01 上新粉や白玉粉などの米粉についてはいずれまた書いてみたいと思います。


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Posted by 安儀製餡所 at 23:23 あんこ豆知識コメント(0)
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