9月になって、早いもので岸和田だんじり祭り、お彼岸の中日も過ぎました。
泉州では岸和田のだんじり祭りが終わると、岸和田の山手の方など、それ以外の各地で10月の第一週の週末にお祭りが行われます。
したがって泉州地域は9月~10月はずっとお祭りモードになっています。以前はこの時期は
渡り蟹 がおいしかったのですが、いまではあまり獲れなくなったようです。
代わりと言っては何ですが、このお祭りには
くるみ餅 が欠かせないものになっています。岸和田のだんじり祭りの頃は暑いのでかき氷で食べることが多いのですが,この時期になるとお餅にくるんで食べる機会が多くなります。以前にも書きましたが、岸和田では大豆を、泉佐野以南では枝豆を使ったものが好まれます。
この時期に泉州を訪れる機会があれば、ぜひ食べてみてください。
くるみ餅(大豆)
くるみ餅(枝豆)
こちらのお祭りも熱気では岸和田祭りに負けないぐらい盛り上がります。
お月見
さて、その前に、今年は9月30日に中秋の名月が見られます。
毎年9月頃(年によっては10月)に中秋の名月を迎えます。
月が見える場所にすすきを飾って、月見だんごやお酒、里芋、枝豆、栗などを供えて美しい月を愛でるとともに、秋の収穫に感謝するのです。
地方によっては芋を供えることから、中秋の名月は
「芋名月」と呼ばれることもあります。
旧暦の8月15日
中秋とは秋の真ん中のことを指します。旧暦の秋は7月、8月、9月ですから、秋の真ん中といえば8月15日になります。
いわゆる旧暦の8月15日(八月十五夜)で、十五夜の月とよばれます。
旧暦と新暦
今年は
『天地明察』 という映画が封切られ、旧暦についての関心が世間で高まるかもしれません。
現在は殆ど使用されていませんが、明治6年に新暦に日本が移行するまで、暦と言えば旧暦(太陰暦)でした。
新暦は太陽の動きを基準にして日付を決定しているのに対し、旧暦は月の満ち欠けを使って日付を決定します。
つまり、新月となる日がその月の1日となり、新月から何日目にあたるかで日付を数えます。月齢が増えて月が太っていくとともに、日付の方も2日、3日と増えていき、満月になる頃が15日となります。
その後は月は細っていき、次の新月となった日に、暦の月も新しい月に変わります。
したがって、旧暦の15日といえば、新月から数えて15日目ですから、満月に近い月が見えます。
満月が十五夜のお月様などと言われる所以です。
現在の太陽暦では、新月となる日は毎年違っていますので、旧暦8月15日となる日も年によって違ってきます。
中秋と仲秋
中秋の名月と仲秋の名月、両者が持つ意味合いは異なります。中秋が旧暦8月15日を指すのに対して、仲秋は秋の真ん中の月、つまり旧暦8月のことを指します。
本来は旧暦8月15日にお月見をするので、中秋の名月と書くのが正しいといえます。
豆名月
2012年の『十三夜月』は10月27日
名月といえば中秋の名月が有名ですが、もう一つ名月が存在します。
それは
『十三夜の月』 と呼ばれるもので、
旧暦9月13日に見られる月のことです。2012年の場合は
10月27日にあたります。
中秋の名月と十三夜の月というふたつの名月がありますが、片一方だけしか見ないのは
「片見月」といって、良くないこととされているそうです。
しかも、同じ場所で見なければならないという話もありますが、これは「遊郭の販促活動の一環」と言うのが通説です。
あるいは、男性が自己を正当化するために考えた理屈かもしれません。
十三夜の月は『豆名月』
中秋の名月は旧暦8月15日に見える月のことですが、十三夜の月は旧暦9月13日に見える月のことです。
現在の暦でいうと10月頃になりますが、ちょうどこの頃は豆の収穫の時期と重なることから、
『豆名月』 と呼ばれます。(同様の理由で栗名月と呼ばれることもあります。)
10月13日は 『豆の日』
この故事にちなんで、現在の暦の 10月13日 を
『豆の日』 としたわけです。(『栗の日』ではありません)
したがって、今年の『豆の日』は結果的に本来の由来である『豆名月』とはあまり関係のない日ということになってしまいました。
月見団子
最後に月見団子について
これも各地によって様々な月見団子があるのですが、泉州でよく食べられているのは上のイラストのようなものではなく、ティア―ドロップ型のお餅をこしあんで巻いたものです。
泉州で一般的な月見団子
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